BREITLINGナビタイマー VS Sinn903
おはようございます!
スリーク新潟の飯田です。
さて、本日はコチラの双子のような時計をご紹介したいと思います!
左
Sinn
903.ST.AUTO
498,750円
右
BREITLING
ナビタイマー01(A022B01NP)
987,000円
どちらの時計も航空計算尺がベゼルについており
非常にデザイン的には似たモデルとなっています。
このてのデザインはブライトリングのナビタイマーがあまりにも有名な為、
ジンがブライトリングの真似をして作っていると思われがちなのですが、真相は少し違います。
実はクォーツショックによりブライトリングは経営が悪化し、1979年に操業が停止しています。
当時の社長ウィリー・ブライトリングから経営権、商標権を受け継いだのが現会長のアーネスト・シュナイダーでした。
その際に古い部品などのパーツ類は売却されたのでした。
それらの部品を買い取った企業の一つにジンがありました。
そしてジンはナビタイマーのパーツを使って、903として販売しました。
そのような経緯があり、80年代のジンの903のムーブメントにはBREITLINGの文字が刻印されているものがあったりします。
では現在においてこの2本を見比べてみると
パッと見た時の視認性はジンの方が高いようにも感じます。
ジンの方はインデックスや針は白塗りのペイントになっており、非常に視認性が高いです。
一方、ナビタイマーはアップライトのインデックスで、磨いてあるので角度によっては読み取りづらいです。
計算尺の目盛りもジンはペイントに対して、ブライトリングはレッドプロテクションという特殊技術によって文字盤の真鍮の地の色を出しています。視認性で言ったらジンの方が高いはずです。ただ、ブライトリングの場合だと経年劣化でペイントが剥がれるという心配はありません。
また、文字盤の黒い色に関してはブライトリングはメッキ処理をしていますが、ジンはおそらく塗りだと思います。これもメッキならば剥がれる心配はありません。
次にインダイヤルの針に関してはジンは青焼きしてあるのですが、ブライトリングはロジウムメッキを施しています。こちらも視認性においては青焼きの方が良いです。
↑ナビタイマーの裏蓋は摂氏華氏の換算目盛りになっており、”道具”としての“らしさ”を感じられる仕様。
↑一方、903はなぜか裏スケ。実用性の観点からいったらまったく意味のない仕様になぜしたのか疑問の残るところだ。
また、特筆すべき違いは
903が10気圧防水に対して、ナビタイマーが3気圧防水というところ。
ジンは計算尺の回転を10時位置にあるボタンを回すことで動くようにしている。
これによって防水性を高めているわけだ。
ただし、ナビタイマーのようにベゼルを直接付かんで回すのと違って、計算尺は異様に使いづらい。パイロットが操縦しながら使用することを考えると903の計算尺はあまり実用的とは言えないだろう。
ちなみに計算尺を搭載して、しかも使いやすく、かつ防水性能を高めるというと
このようなクロノスペースみたいになるのだと思う。
これはラックピニオンといったベゼルにギアを入れた構造になっており
内周と外周の回転速度が違い、すばやく計算できると同時に防水性も200mというスペックをもっています。
ただ、こうなると“ナビタイマー”という伝統的なデザインからは少し離れていきます。
そして、実用度を求めていくと
クォーツの『クロノスペース』になるのだろうし、
『クロノスペース』を選ぶなら、『エアロスペース』の方が使い勝手がいいんじゃないか?となり
『エアロスペース』なら『Gショック』の方が使い勝手が良いんじゃないか?
などとわけのわからないループにハマっていってしまうのです・・・・
ま、話は戻りまして、Sinnの903とBREITLINGのナビタイマー。
どちらもそれなりに良さはあります。
価格的な差は大きいですが、ムーブメントやケースやブレスなどの作りを見るとその価格差は納得です。
どのような基準でどちらを選ぶかは、選ぶ方の自由です。
ただ、間違いなくこの航空計算尺のついたナビタイマーのデザインは歴史を超越した秀逸なデザインです。
まさに腕に着ける計器!
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