ナビタイマー進化論Vol.3
こんにちは。
スリーク新潟の飯田です。
第3回目となる今回。
1回目、2回目とお付き合いいただいている皆様ありがとうございますm(__)m
今年発表のあったナビタイマー8。
このナビタイマー8が誕生する背景、ナビタイマーとは一体何なのか?
ナビタイマーの歴史を振り返りながら何回かに分けてお伝えしていきたいと思います。
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機械式ナビタイマーの復権
前回、70年代にクォーツが台頭したことをお伝えしましたが
スイスの時計メーカーの多くがクォーツの波に飲み込まれて倒産していったところも多かったのです。
かく言うブライトリングもクォーツのナビタイマーを作ったりなどしていましたがなかなか上手くいかず、経営の危機に瀕していました。
しかも当時3代目のウィリー・ブライトリングには会社を引き継ぐ後継者がいませんでした。
↑ウィリー・ブライトリング
そんな状況の中、ウィリーの意思を引継ぎ、経営を立て直した人がいます。
↑アーネスト・シュナイダー
彼こそがピンチだったブライトリングを救った人でした。
当時、ブライトリングのマーケティングを支えており、ウィリーの相談相手でもあったジョルジュ・カスパリ氏が
ウィリーとアーネストを引き合わせました。
「ブライトリングも大打撃を受け、高齢で病気がちだったウィリーはひとつの決断をしました。この難局を乗り越えられる人物にブランドの未来を託そうとしたわけです。そしてやっとの思いで捜し当てたのが、私の知人でもあったアーネスト・シュナイダーでした」(カスパリ)
1979年4月5日:アーネスト・シュナイダーがブライトリング買収の契約を締結。同年ウィリー死去
1982年11月30日:アーネスト・シュナイダーの時計会社『シクラ』を発展解消させる形で『ブライトリング時計会社』を設立
なんか、これだけを見ると全く違う会社になったような印象を受けるかもしれませんが
そんなことはありません。
ウィリーはアーネストに『過去のブライトリングまで引き継ぐ必要はない』と言っているのです。
しかし、アーネストは過去も含めてブライトリングの伝統を受け継ぐと固い約束をしているのです。
そして、そんなアーネストが発表したのが
1984年:クロノマット
新たなブランドを代表する機械式クロノとして誕生。
そして、ブライトリングの歴史を受け継ぎ、
ブライトリングの象徴となるモデル、
ナビタイマーが出ます。
Ref:81600
1985年に手巻きのレマニアのムーブメントCal.1872を搭載したモデル。
『オールド・ナビタイマー』と称し進化して登場。
第1回目の時にご紹介した1960年代のRef:806に近いデザインです。
↑Ref.806
違いはわかりますか?
そうです。
こいつです。
皆さんも馴染み深い
このウィングロゴが文字盤に採用されたのです。
はい、このナビタイマーではロゴが進化したのですっ!!
そして、1986年には
Ref:81610
ムーブメントにバルジュー7750を搭載して自動巻きモデルとして進化しました。
名前は引き続き『オールド・ナビタイマー』ですが、機能・性能はオールドではないのです。
Ref:A13020
1992年には非防水だったのが3気圧防水に進化
風防もミネラルクリスタルからサファイアクリスタルへ進化
クロノ針に『B』マークが付くという進化
のトリプル進化!!
この進化で名称も『オールド・ナビタイマーⅡ』に。
さらに、さらに1994年には視認性をUPさせる為にインダイヤルの数字も進化!
数字を多くしてより読み取りやすくしています。
テイストは60年代の2ndナビタイマーを残しながらも
新たなナビタイマーへと進化していく【ナビタイマー】。
そして、経営危機に瀕していたブライトリングもクロノマットとこのナビタイマーの両翼で大きく飛躍していくのです。
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オールド・ナビタイマー番外編
皆さん、ワールドカップはご覧になられていますか?
現在とても盛り上がっていますが
実はオールド・ナビタイマーにもかつてこんなモデルがございました。
その名も『NAVITIMER FOOTBALL』!!
ナビタイマー・フットボール。。。。そのままの名前。。。
よーくご覧ください。
12時位置の30分積算計ですが、サッカーの試合45分が分かるように2週目の15分(45分)のところは赤く記されているんです。
しかも!!
ベゼルは航空計算尺ではない!!
タキメーターと分目盛りが付いています。
しかもこれはベゼルを回して長針に0ポイントを合わせると経過時間を計測できる仕組み。
そして当然のように45分は赤くマーキング。。。
ベゼルに航空計算尺が付いていなくてもこれも立派な『ナビタイマー』。
↑2018年の新作『ナビタイマー8』に回転計算尺が搭載されておらず、
これではナビタイマーではない!!と思っている方もいるかもしれませんが
実はそんなことないんですね。
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拡がるナビタイマーの世界
ナビタイマーが市場に認められ認知されてきた頃、
さらに多くのバリエーションが増えていきます。
ナビタイマー92
1942年誕生のクロノマットと同じ計算尺を搭載。航空計算尺ではないがナビタイマー。。。
ケース径は38㎜で小ぶりなモデルでした。
スパシオグラフ
9時方向にデジタル表示の10分積算計が付いたモデル。
ヘリコプターのパイロット用に開発されました。
(ヘリコプターは10分間の暖機運転が必要だから)
ツインタイム
12時方向のインダイヤルはアナログの日付表示です。
そして、センターのクロノグラフ針は実は2本重なっていまして、
①クロノグラフの秒針(1週60秒)と
②クロノグラフの分針(1週60分)が
付いています。
12時方向のインダイヤルにも針が2本付いていまして
③クロノグラフの分針(1週60分)
④クロノグラフの時針(1週12時間)
となっています。
つまり②と③、両方クロノグラフの分計なので、名前が『ツインタイム』となっているんです。
ちなみに9時方向のインダイヤルは現在時間の24時間表示。
このモデル好きだったんですよね。。。。
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90年代以降のナビタイマーシリーズはそのバリエーションが多岐に渡っていきます。
このバリエーションの拡がりもまたナビタイマーの進化と言えるでしょう。
また、2000年代以降はナビタイマーと名前が付くものには全て計算尺+クロノグラフが付いていたので、皆さんのナビタイマーに対するイメージが固まってきたのだと思います。
次回はそんなことも踏まえて近年のナビタイマーを見ていきたいと思います。
どうぞ次回もまたお付き合いください!
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