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一生モノ!初めての機械式時計~間違いのない選び方~

2020.10.01

こんにちは。

 

スリーク新潟の飯田です。

 

今日は初めて機械式時計を買おうと思っている人、最初の機械式時計はどんな物が良いの?と悩んでいる人達に向けて、時計選びの指南について私なりの意見を書きたいと思います。

※あくまでも個人的な意見です。時計選びには極論、正解も不正解もないということをご理解ください。

 

時計を選ぼうと思った時に『どのブランドが良いの?』とか『どのモデルが良いの?』と思ったことがある人は多いのではないでしょうか。

 

高いお金を出して、一生に一度の買い物と思って時計を選ぼうと思った時にそんなふうに思ってしまう気持ちはよく分かります。

失敗したくないですし、より良い物が欲しいと思う気持ちは当然のことです。

 

『どの時計が良いの?』と人に尋ねたらその人の基準でどの時計が良いか教えてくれる人もいるでしょう。

私も店頭に立っていてよく訊かれます。

しかし、結局『良し悪し』なんてのは何を基準にするかで全然変わってしまうので一概にどれが良いかなんてのは言えないのが実は時計の世界なのです。

これはきっと自動車やカメラ、その他の家電なんかでも一緒ですよね。

 

 

目次

1.品質・性能・仕様の良し悪し

2.何を基準にして選んだらいいのか?

3.予算はどれくらいが妥当か?

4.最後に・・・

 

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品質・性能・仕様の良し悪し

では、それぞれの基準に対して良し悪しを考えた場合はどうなるのでしょうか。

 

『品質』と言った点で言うとブランドに関係なく、やはり値段なりになってくるとは思います。

各社によって『品質』基準で見れば多少はどちらがお買い得とかはありますが、それでも『超お買い得』とかそんなふうに言えるような価格差はないと思っています。

だから高価になれば高価になるほど品質は良い時計ということは言えると思います。

 

 

また、『性能』と言った点で言うと、今の時代ある程度のモノになったら日常生活において良し悪しの差を強く実感する程の差はないと思っています。

逆に言えば不便を感じるような性能のモノは売られていないってこと。

 

例えば精度。

日差±5秒の時計と日差±20秒の時計でさえ、日常使いで後者の方を強く不便に感じる人も少ないと思います。

 

例えば防水性。

100M防水も300M防水も日常に使う分にはどちらも差はないと思います。

自動車の最高速度がどちらが高いかを比較するようなもので、実際にそこまでスピードを出すことはないと思います。

ただその数値に自身が痺れるなら注目すればいいと思います。

 

例えば耐磁性。

非耐磁時計と耐磁時計、このご時世だと磁気を発するものが身の回りに多く大敵とも言えます。

そう考えれば耐磁性能がより高い方が使いやすいのは確かですが、日常使いが出来なくなるほどの強力な磁気帯びをしてしまうことは非耐磁時計でも日常生活では考えにくいです。

もし磁気を帯びても磁気を抜くのはそう大変でもありません。

 

それでも性能の良い物が欲しいと思えるなら

精度、防水性、耐磁性、など数値で分かるものを比較すればいいと思います。

 

ただ、耐久性という点においては少し難しい側面があるかもしれません。

なぜなら耐久性と一言で言っても耐衝撃や耐加重、耐傷性、耐圧性、耐腐食性など色々な角度からの考察をしなくてはいけなくなるからです。

耐衝撃に関して言えば多くのスポーツウオッチは5000Gテストと呼ばれる衝撃テストを行っています。

これは1メートルの高さから樫の木の上に時計を落とした時と同程度の衝撃を与えても正常に動くかどうかというテスト。

ただどこまでの衝撃に耐えれるかの極限のテストを行っているわけではないのでそのようなスペックを求めるならリシャールミルやGショックになってしまうと思います。

また、ムーブメントの設計の違いで理論上の耐衝撃性はどちらが高いかという違いもありますが、ある程度のものだと日常でその差を実感できる場面もあまりないと思われます。

それでもそこを気にするなら後述するようなフリースプラング仕様が良いと言えます。

 

 

その他に時計の『良し悪し』を考えた時に出てくるのが『仕様』だと思います。

最新の素材や最新の機構を備えた仕様の時計は価格も高くなり、『良い物』という印象になりがちです。

しかし、どんなに最新のものでもそれぞれメリット、デメリットがあります。

 

例えばセラミック。

最近では時計のベゼルに使われることが多いです。

一番ぶつけやすいベゼルの素材を高硬度のセラミックにすることで傷が付くことがなくなります。

日常使いを考えると非常に理想的な素材でもあります。

しかし、セラミックは強い衝撃があると割れることがあります。

逆にスチール素材のベゼルはぶつけたら打痕や擦り傷が付くが割れることはありません。

それをどう捉えるかでどっちが良いか悪いかは変わると思います。

 

例えばシリコン。

時計の内部パーツに使われることが多くなってきました。

シリコンは磁気帯びをせず、軽くて磨耗もしないというメリットがあります。

しかし一方で壊れやすいとか湿気に弱いというデメリットもあります。

 

素材以外では時計の心臓部であるテンプ部分がフリースプラングなのか緩急針なのか、ということもあります。

一般的にフリースプラングの方が高級仕様とされています。

確かにフリースプラングの方が衝撃による精度の不具合は出にくいです。

しかし精度調整が面倒だとか調整幅が少ないなどのデメリットもあります。

一般的にはどっちが良いかと聞かれたらフリースプラングの方が良いと言えると思いますが、伝統的な緩急針の方が見た目の趣があって良いとか、どのような技術者でも修理しやすくてメンテナンス性が高くて良いというような意見だってあります。

 

 

このようなことを述べていくと、『じゃあ一体どっちの方が良いんだよ?!』と悩まれてしまう人もいるかと思います。

でも先に述べたようにどっちも良い悪いなんてのはないのです。逆にどっちを選んでも不便を感じることはありません。

 

よく時計雑誌や専門サイトなどでよく分からない専門用語を目にすることがあると思います。

それらを見て、いかにもその仕様が素晴らしいと思ったとしてもどんな仕様にもメリットとデメリットがあることを忘れないでください。

メリットしかないとしたら世の中すべてがその仕様になってしまいます。

しかしそうじゃない仕様のものが存在するのはそれはそれでメリットがあるからなのです。

そこらへんの仕様がどういうものか気になる人はそれぞれのメリットとデメリットを信頼できる販売員さんに聞いて相談してみるとよいと思います。

ただ何度も言いますがどちらの仕様でも、使っていてそんなに困るほどの差はないと思います。

 

 

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何を基準にして選んだらいいのか?

 

では、時計のことがよく分からない、失敗したくない、そう思って不安を感じている人に何をアドバイスできるか?と考えると、一番大切なのは『見た目が好きかどうか』ということです。

『品質』や『性能』、『仕様』で考えたらどれを買っても『失敗』はないと思います。

先に述べたように品質は価格なりなので、例えば20万円の時計と100万円の時計を比べたら100万円の時計の方が品質は高くなります。

もし20万円の時計を買って、後々100万円の時計の方が良かったと思うとしたら、それは20万円の時計が『失敗』なのではないのです。

20万円の時計は20万円なりの品質で時計としてちゃんと完成されているんです。

ただ、自分の目が肥えてそれでは満足できなくなり、上の品質を目指したくなったから100万円の時計に目が行くようになっただけだと思います。

それよりも見た目の好みというのは永く付き合っていこうと思ったらとても大切なことだと思います。

ふと時計を見た時に自分の心を鼓舞してくれるような好みのデザインを選ぶことが大切。

そこに1つアドバイスするとしたら、そのモデルが誕生した背景やコンセプト、どのようにデザインされたか?など裏側のストーリーを知って、それに共感できたら間違いはないと思います。

 

個人的には『歴史』は重要視しています。

歴史があるブランド、モデル。歴史というのは消せない、消えないバックボーンです。それが信頼や安心感ともなります。

ただ気をつけて欲しいのは歴史があるように見せかけているメーカーの戦略的なマーケティングもたまに見受けられます、、、不安でしたら聞いてください。

 

ロレックス、オメガ、カルティエ、タグ・ホイヤー、ブライトリング、IWC、ウブロ、ゼニス、パテック・フィリップ、オーデマピゲ、ランゲ、パネライ、、、色々なブランドがあって、それぞれ特徴があります。

どれを買っても失敗はないと思います。

もし『失敗した!』と思うことがあったら、それはその時計が悪いのではなく、自分がどのような時計を求めているのか自己分析が出来ていなかったから。

 

では自己分析する為に自分が求める部分は以下の何か?それをハッキリさせておいた方が良いと思います。

個人的な意見を言わせていただくと以下の項目を5段階で評価して、信頼できる販売員に見せたら間違いない時計を紹介してくれるはずです。

 

◆他人にチヤホヤされたい(ステータス性)。

◆他人とあまり被りたくない。

◆リセールバリューが高い物がいい(資産価値)。

◆世界初や世界一などの何か物語が欲しい。

◆着け心地。

◆自分が何故時計が欲しいかの理由が明確になっている。

 

ここらへんの項目を自分自身でどの程度重要視しているか理解していると

どんな時計が自分に適しているのか見つけやすいと思います。

 

あと、1つ伝えておきたいのは失敗しない時計選びをしても、やがて真逆の時計が欲しくなるかもしれません。

でも、それは失敗じゃなくて経験と年齢を重ねて食の好みが変わるように時計の好みも変わっただけのこと。

ちゃんとそれを理解している人は失敗したとも思わないとは思いますが、、、

 

 

以上、つらつらと述べてきましたが、単純にもう少し分かりやすい指針が欲しいのも事実だと思います。

そこで、私の個人的な意見ですがどのような順番で時計を選んでいったらいいのかをあげたいと思います。

 

1.見た目の好み

2.そのモデルの誕生背景

3.そのブランドの歴史的背景

4.アフター(修理)の体制

 

1.見た目の好み。

やはり、何だかんだ言っても見た目の好みは重要です。

好きに理由はない。好きになった物に対して何で好きかの理由を探すから好きの理由が出てくると思っています。

理由から好きになる物より理由のない好きの方が好きでいつづけれることがしやすいのではないかと思っています。

 

2.そのモデルの誕生背景

ストーリーがあるモデルは時代を超えて受け継がれる価値があります。

10年後、20年後も色あせないストーリーのあるモデルだと、何十年か使った時にも自分自身で良いモデルだなぁと思えると思います。

 

3.そのブランドの歴史的背景

せっかく大金を出して買う時計なのに、数十年後に消滅したら悲しいと思います。

100年以上続くブランドならばこの先も存続する可能性も高いですし、所有する安心感もあると思います。

また、そのブランドがどのような歴史をたどって今日に至るのかまでを知るとそのブランドの得意な時計だったり、特徴も分かりモデル選びもしやすいと思います。

気をつけて欲しいのはブランドの誕生は昔だけど、一旦消滅して商標を買い取って復活したようなブランドもあります。

そのようなブランドを継続して100年以上続いているブランドと同じように捉えない方が良いと思います。

復活したブランドが悪いというわけではないですが。

 

4.アフター(修理)の体制

どのような高級な時計でも買おうと思ったら買えるんです。

家や自動車を買うよりお金がかからないものがほとんどです。

ただ、永く愛着を持って使用していこうと思ったら必ず必要になってくるのがアフターです。

そのブランドがどのようなアフター体制になっているのか知るのは大切なことと思います。

修理料金も大事ですし、アフターで働く人達の理念や対応の仕方など。大切な時計を預けるわけですからそこらへんは気にしたいところです。

永く愛用しようとしたら、もしかしたら一番重要な部分かもしれません。

 

 

以上の項目に注目して選んでいただけたらどうかなと思います。

 

 

また、自身の好みを理解しているようでしたら

◆文字盤はシンプルな三針が良いのか、クロノグラフなどの機能が付いた方がいいのか

◆防水性はどの程度欲しいのか

◆革ベルト、ラバーベルト、ブレスレットどれがいいのか

◆必要な機能はあるか(クロノグラフ・GMT・パワーリザーブ表示・ムーンフェイズ・日付表示・曜日表示など)

 

この辺あたりを明確にしていると選びやすいと思います。

 

 

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予算はどれくらいが妥当か?

 

次に時計の購入に際して、どうしても気になるのが金額だと思います。

購入を検討する際には予算があると思います。

使用するにあたって品質や性能に不便を感じるような差はないと述べましたが

不便さはなくとも金額で品質や性能が変わるのは当然です。

そして使用するのに不便はなくとも、後々に目が肥えてくるともっと品質や性能の良い物を買っておけば良かったと思う人も出てきます。

 

個人的な私見ではございますが『30万円~100万円 の時計なら金額に左右されず欲しい時計を買った方が良い』とよく言っています。

 

絶対とは言えませんが30万円以下の時計ですと品質や性能が後々物足りなく感じることが多いように感じます。

また、100万円以上の時計となってくる初めての機械式時計にそこまでの機能や仕様じゃなくていいのでは?という内容だったり、素材にゴールドや異素材などの高価なものを使用した物がでてきます。

もちろん、30万円以下の時計でも価格以上に素晴らしい時計もありますし、100万円以上の時計でも最初の1本にしても良いのでは?と思える納得の時計もあります。

あくまでも目安としての金額だと思ってください。

 

 

そこを踏まえた上で、

 

三針の機械式時計を選びたいなら

50万円前後を目安にしていただくと良いと思います。

 

クロノグラフの機械式時計

80万円前後を目安にしていただくと良いと思います。

 

これらの目安の前後20万円はアリだと思います。三針なら30万円~70万円、クロノグラフなら60万円~100万円。

例えば30万円の三針時計と70万円の三針時計で悩まれた場合、もし70万円のモデルが欲しいけど金額的に安いから30万円のモデルにしようかな、、、と思ったとしたら

個人的な意見としては頑張って70万円のモデルを選んでいただきたいと思っています。

もし、デザインなど30万円のモデルの方が好きなんだけど、70万円のモデルの方が何となく良さそうという理由で悩まれているなら30万円のモデルを選んだ方が良いと思っています。

 

どうしても購入に際しての選ぶ基準が金額に左右されることはあるのは仕方ありません。

そして、それらは各自の経済力や価値観の違いなどによって様々であるのは当然です。

ただ、何が言いたいかと言うと、金銭的な理由で妥協した時計を選んで、後々『あっちの時計にしておけばよかった』というような後悔はして欲しくないのです。

 

使い捨てする物だったり、買い換える物だったりするのなら、それでもいいかもしれません。

でも個人的な願いとしては機械式時計を手に入れたのなら買い換えることなく生涯大切に使って欲しいと思っています。

(もちろん、買い換えて新しい時計を手にする時計の楽しみ方も理解しています。ただ、生涯共に時を刻む大切な時計を1本は手に入れてもらいたいと思っています)。

 

 

金銭的だったり、デザインだったり、色々な面で妥協した時計選びはして欲しくないと思っています。

時計選びに妥協はない!妥協しちゃいけない!

と思っています。

 

もちろん、デザインや性能などの面で100%自分の理想とする時計というのは無いかもしれません。

それでも、様々な要素の中から自分にとって一番ベストだと思える時計を選んで欲しいな、と。

 

 

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最後に・・・

 

 

最後に声を大にしてお伝えしたいのは

 

どんな時計を選んだとしても

どのような想いでその時計を選び

どのような想い出を共に刻んできたか

それこそがその時計の真の価値になるということ。

 

自分にとっての唯一無二のかけがえのない宝物になる時計というのは自身の想い次第なんですよね。

時計選びに正解なんてないんです。

知らない世界だから変に色々と考えちゃいがちですが難しく考えずもっと単純に“欲しい”時計に目を向けてみてください。そして、どんな理由や経緯で選んだ時計であれ、その時計と向き合いその時計に語りかけてあげることができたら時計選びに失敗はないと思います。

 

あと、時計雑誌クロノス日本版の編集長広田雅将さんが以前

『趣味の時計を選ぶなら加点方式、実用時計を選ぶなら減点方式で選んだ方が良い』的なこと言ってました。

 

これには納得しました。

確かにそうなんですよ。それぞれプラス面とマイナス面があるのが時計です。

しかし、日常使いで不便を感じるようなマイナス面なんてのは現代の時計ではほとんどありません。

趣味の時計を持つならマイナスに目を向けるより、どれだけ加点できる自分にとってのプラス面があるか見ていく方が良いと思います。

 

 

以上、長々と書いてしまいましたが

皆さんにとって掛けがえのない大切な時計選びの一助となったら幸いです。

もちろん気になることや質問などがありましたらメールでも電話でもお気軽にお問い合わせください。

 

 

飯田

 

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