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【IWC】 パイロットウォッチを語る

こんにちは。

 

今日ご紹介するのはコチラ

IWC マーク16

今日はIWCの誇る実用時計パイロットウオッチのマーク15を紹介。

 

この時計はちょっとした縁があって、

現在所有しているわけなのだが、

既に生産終了となっているモデルだ。

 

現行モデルはマーク17となる。

マーク17も非常に魅力的なのだが、

個人的にはこのマーク15が一枚上手だと思っている。

 

 

まず、この時計の魅力を語るには、

IWCのパイロットウオッチの歴史をご紹介したい。

 

 

 

IWCが最初のパイロットウオッチを作成したのが1936年。

以後、次のようにモデルが発表されている。

↑マーク9

1936年・・・マーク9

1945年・・・マーク10

1948年・・・マーク11

1994年・・・マーク12

1999年・・・マーク15

2006年・・・マーク16

2012年・・・マーク17

↑マーク10

ただ、実はマーク9、マーク10というモデル名は実在はしていない。

『マーク○○』というネーミングは軍用機器につけられたもので、

IWCのパイロットウオッチがイギリス空軍に正式採用されたのがマーク11からである。

 

それまでのモデルは民生用に開発されたもので、

マーク9と呼ばれているモデルは『スペシャル・パイロットウオッチ』、

マーク10は『W.W.W.(Watch Wrist Waterproof)』というのが正式名称らしい。

マーク9、マーク10という言い方はマーク11発表後にマーケティング的に命名されたそうだ。

 

デザインを見てみても一目瞭然だ。

マーク11以前は統一感のないデザインで、

試行錯誤をしていたのが伺えるが、

マーク11以降のモデルは全て、

マーク11の血統を受け継いでいるのが分かる。

 

 

それほど完成度の高かったマーク11は永らくイギリス軍に採用されていた。

↑マーク11

このマーク11の凄いところはムーブメントを軟鉄のインナーケースで覆い、

高い耐磁性能を持っていたということだ。

IWCの実測テストでは78,000A/mという性能を誇っていたらしい。

 

また、時計の構造もベゼル、本体、裏蓋という3ピース構造だとコックピット内が急激に減圧した場合、

風防がベゼルごと吹き飛ぶ可能性がある。

そこでマーク10から2ピース構造になったのだが、

このマーク11もそれを受け継いでいた。

このマーク11は70年代後半から1986年までは市販されたようだ。

おそらく余剰在庫の整理が目的ではなかったかと思われるが定かではない。

 

 

その後、1993年にマーク12としてパイロットウオッチが復活する。

マーク11は手巻きの18000振動だったのがマーク12からはジャガールクルト製のムーブメントを搭載し、

自動巻き28800振動へとスペックアップ。

民生用として作られた時計ながら、

耐圧性や耐磁性などはマーク11とほぼ同レベルを誇っていた。

このマーク11はジャガールクルト製のムーブメントを搭載していることもあり、

未だ好事家の間では高い人気を誇るモデルである。

 

↑マークⅫ

その後、ジャガールクルトの供給が追いつかなかったなど、

諸問題があり、1999年にETA2892A2をベースとしたムーブメントを搭載したマーク15が誕生したのだ。

このモデルはマーク11、12と36mmというケースサイズだったのに対して2mm大きくなり、38mmとなった。

 

ここまで書くとマーク15よりもマーク11や12の方がいいのでは?

と思うかもしれないが耐久性能や精度の面で言うと、

マーク12よりマーク15の方が安定した高い性能を出しているとの話をとある筋から聞いたことがある。

実際、ETA2892は多くの時計に採用されていることからも分かるように精度や耐久面での信頼性は高い。

また、以前この連載でパネライを紹介した時にも言ったが、

凡庸ムーブメントの方が後々のメンテナンスなどを考えても実用性は高い。

その様な点からもマーク15は私好みなのである。

では、マーク16、マーク17よりもなぜマーク15なのか?

それは無骨というか無機質な雰囲気があって好きなのだ。

また、マーク15の時はスペックが耐磁性能は40,000A/m、

耐加重は30Gというスペックが公表されていた。

それがマーク16以降は耐磁性能は24,000A/m以上という表現になっており、

耐加重に関しては公表されていない。

 

スペック的にはおそらくマーク15と同等のレベルはあるだろうと思うのだが、

やはりIWCには『オーバースペック』や『オーバークオリティー』といった表現を私は求めてしまうのだ。

 

ちなみにJIS規格での耐磁時計は4,800A/mに耐えれるものを言うので24,000A/mでも充分なのだ。

また耐加重に関していうと、ジェットコースターで感じるGが2~3G、

F1の急カーブでは4G、アクロバット飛行でも瞬間的に10G以上掛かることはあるが、

おおむね7~8Gといったところだ。

 

人間は10G以上の重力下では1分間以上は生存できないらしい。

ブラックアウトやレッドアウトといった状況になり、死に至るらしい。

 

なお、余談だが同じようなパイロットウオッチを作るブライトリングでは10年くらい前までは

耐加重15Gを公表していた(こちらもIWC同様現在は公表していない)。

 

ちなみに私が始めてマーク15の存在を知ったのも1999年。

発表された年である。その時にマーク12などの存在も知るわけだが、

その時の印象としては特にカッコいいとも思わなかった。なんか普通の時計、といった感じだ。

 

特に文字盤に表記されたアラビア数字の書体があまり好きになれなかった。

なんかありきたりの書体でスタイリッシュさというかお洒落さを感じれなかった。

 

マーク16やマーク17になると書体が変わり、個人的な感性で言えばこちらの書体の方が好きである。

しかし、マーク15の書体は何というか飾らないデザインというか読み取りやすさだけを考えたらこちらの方がいいんだろうなと思わせてくれるもので、そこが気に入ってはいる。

 

また、マーク11から共通しているのだが12時位置の▲マークも気に入っている。

これはパイロットが12時方向を瞬時に読み取れるように、

また読み間違いのないようにと考えられたマーキングなのだが、

今ではこの▲マークこそがIWCのパイロットウオッチの証のようなデザインとして使用されている。

あと、さり気なく好きなのが裏蓋に刻印された『DIE FLIEGERUHR AUTOMATIK』というドイツ語。

唯一ドイツ語圏に存在するスイス時計メーカーのIWCらしさが垣間見れて好きなのだ。

ちなみに『フリーガー』とは『パイロット』の意味なのだが、最初この『フリーガー』という発音を聞いた時、日韓ワールドカップの話題などで『フーリガン』という言葉をよく耳にしていたので、

何となく似ている言葉だなぁと印象に残った。ま、どうでもいいのだが。

それからリューズの魚マークも好きなディテールの1つ。

これは当時、IWCが防水性のあるモデルに使用していたモノだ。

なんとも可愛らしい感じがして、当時のIWC愛好家の間ではこの魚マークを重宝している人もいる。

ただし残念なことに、現在の商品には使われておらず、

昔のモデルでもメンテナンスなどでリューズ交換が必要な場合はIWCロゴのリューズに交換されてしまう。

 

 

と、そのような感じで実用時計として見た時のマーク15は私の中ではかなり評価の高いモデルとして好きなのだ。

ただ、残念なのは私の持っているマーク15は風防に無反射コーティングを施している。

初期の頃のマーク15にはこのコーティングが施されていなかった。

個人的には無反射コーティングがされていない方が無骨な感じがさらに増していいのだが・・・

 

↑〈L⇒R〉マーク10、マーク12、マーク15

 

 

 

↑〈L⇒R〉マーク15、マーク16、マーク17

 

う~ん。

やっぱりマーク15が好きだなぁ。

ただ、違うベクトルでのデザインの良さはマーク17にもあって、

もし私が時を1本も持っていなくて、マーク15かマーク17どちらかを選べと言われたら、

もしかしたらマーク17を選んでしまうかもしれない。

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