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タキメーターとは

2017.02.10

 

こんにちは。

スリークの飯田です。

 

毎回、ここの記事を書きながら思うのですが

あまり、マニアックな話とか細かい話を書いても誰も面白くないよなぁ。。。。

と。

 

ま、でも中には興味を持ってくださる人もいると信じて

今回もまいりたいと思います。

 

さて、みなさん

『タキメーター』って聞いたことありますか?

時計のベゼルに『TACHYMETRE』などと表記してあり、数字が記載してあるものです。

 

TACHY1

 

これ、何かと言いますと

 

1㎞を走行(飛行)した時の平均速度を算出する目盛りなのです。

 

レーシングウオッチやパイロットウオッチなどスピードのある環境下で使われる時計の備わっていることが多いですね。

 

使い方としては

 

①クロノグラフ(ストップウオッチ)をスタートさせて、1㎞を走行(飛行)した瞬間にストップをする。

 

②その時にクロノグラフ(ストップウオッチ)の針が指しているタキメーターの数字がその1㎞間の平均速度。

 

と、いうわけです。

 

確認の計算をしますと

 

例えば時速100㎞/hの速さというのは

1時間で100㎞移動する速さ

=60分で100㎞移動する速さ

=3,600秒(60秒×60分)で100㎞移動する速さ

 

で、

 

この速さで1㎞移動するには時間がどれくらいかかるのか?

と、言ったら秒と㎞を100で割ってあげたらよいですよね。

 

3,600秒(÷100)で100㎞(÷100)移動する速さ=36秒で1㎞移動する速さ

 

というわけです。

 

ここで、時計のタキメーターの目盛りを再度ご確認ください。

 

TACHY1 - コピー

36秒のところにタキメーターの目盛りはちゃんと100と表記されています。

なので

この目盛りを見たら分かると思うのですが

30秒で1㎞を移動したかったら平均速度は120㎞/hじゃないとダメなんですね。

 

 

さて、そんな

1㎞間の平均速度なんて必要ない!!!!

と思った方、

確かにそうですよねぇ、、、、、

 

でもですね、この『タキメーター』。

実は『平均生産性』もわかるのです。

 

ベルトコンベアでの作業なんかでも

今のペースで作業を進めていたら1時間後に何個生産できるんだ??

と言うのが簡単にわかるのです!!!

 

例えば1つの物を作るのに30秒かかったとします。

30秒で1個作る生産性

=1分で2個作る生産性

=60分で120個作る生産性

はい。そうです。1時間で120個作る生産性です。

 

 

 

で、1つの物を作るのにクロノグラフ(ストップウオッチ)で時間を測ります。

 

30秒かかりました。

 

30秒のところのタキメーターの目盛りをご覧ください。

TACHY1 - コピー (2)

ちゃんと120を示しています。

『このペースだと1時間後には120個だぞ!』とタキメーターが語り掛けてくれているのです。

これは何か使えそうな感じしませんか??

 

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さて、ここで

時速と1㎞移動するまでに必要とする所要時間を表にしてみました!

(珍しく自作です(笑))

TACHY7

 

なぜ、これを出したかと言いますと

 

タキメーターの数字を腕時計という直径40㎜くらいの円周の中に

どこまで表示するのか?問題について考察したいからです。

 

各ブランドの、各モデルによって

 

タキメーターに表記する数字って違うんですよね。

 

それではざっと代表的なモデルを並べてみますね。

TACHY1 TACHY2 TACHY3 TACHY4 TACHY5

TACHY6

 

数字を回転していくように表記するか、スピードマスターのように水平に表記するかでも

またデザイン的なバランスは変わってきますね。

 

ブライトリングは目盛りが細かく載っていて数字表記も多いので実用的であるとも言えますし

 

一方で、他モデルのようにベゼルに記載しているわけではないのでどうしても字が小さくなってしまい、実際の大きさだと読み取りにくいという問題点もあります。

 

もし読み取りやすさを重視するなら目盛りと数字表記の数を変えた方がいいのでしょうね。

 

ちなみに

 

もう1つ表を作ってみました!

(今回は頑張ってるなワタシ・・・・)

TACHY8

これ、先ほどの図に各モデルの表記があるものを〇付けました。

黄色い枠は先ほどの図にはなかった数字(速度)です。

 

黄色い枠の部分なんですが、なぜその数字を表記しているのか個人的には謎で気になるんですよね。。。。

 

例えばスピードマスターの場合

TACHY1 - コピー (3)

 

他の多くのモデルはちょうど15秒位置となる240を表記しているのですが

スピードマスターは240を入れていません、、、、

 

推測する理由としてはスピードマスターは数字の横にドット『・』を入れていますので

『・240』と入れようとするとベゼルの幅が足りないからじゃないか?とは思うのですが。。。

対になる45秒位置の80を見るとわかりますが2桁の80でも横幅がけっこうギリギリですもんね、、、

真相はわかりませんが。。。。。

 

 

そして

 

一番ナゾなのがTAGカレラ。

 

TACHY4 - コピー

 

63と66問題!!

 

普通はだいたい65を表記するのに

なぜ??

デザイン的なバランス???

でもだったら85も表記しようよ!って思ったり。。。。

他のカレラもそうなんですよね。。。

TAGのデザイナーの感性というか感覚なのかな?

とも思ったのですが

リンクなどの他のモデルは63、66表記ではなく、65表記。

 

 

マイルに換算した時に良いのかな?

とも思ったのですが

 

1マイル=1.61㎞と考えるとそれほどキリの良い数字でもないですし、、、

ちなみに

 

カレラ ホイヤー01は

同じカレラシリーズとなりますが65表記でした。

 

これはビバーさんがTOPになったことで誕生したデザインのモデルですし

デザイナーが代わっているからなんでしょうね。

 

と、

TAGの63、66表記が一番のナゾではありますが

 

TACHY6 - コピー

ブライトリングに要望を出すとしたら

『どうせなら190も表記してほしかった』です。

200以下は190以外全部10㎞/h刻み。

100以下は5㎞/h刻みという丁寧さ。

だったら190を入れて欲しかったなぁ、、、、と。

 

と、まぁ、、、普通の人からしたら

あまり面白みのない

考察でございました。

お付き合いいただいた皆様はありがとうございます。。。。

 

 

こういうことを文章で説明しようとしても難しくて

読んでいてイライラしたのではないでしょうか?(;’∀’)

 

本当は間近で口頭でご説明できたら簡単にお伝えできるんですけどね、、、

 

でも、普段何気なく見ている時計のデザイン(ディテール)にも

それなりの理由があってそうなっているものが多いです。

 

タキメーターだって、日常使いする人は殆どいないでしょうが

なんでこんな目盛りが付いているんだ?と思いながらも

『ま、いいか』と思って、ただのデザインとして受け入れるよりは

意味を知って受け入れた方が絶対に楽しいと思うんですよね!

 

ま、とはいえ

前述したようななぜこの数字は表記してない?なぜこの数字を表記している?問題までになると

本社に尋ねても、ほとんどの場合がデザイン的なバランス。という回答になることが多いんですけどね(笑)

 

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そんなタキメーターですが

 

昔は実際にはどのように使用されていたのでしょうか?

 

平均生産性はベルトコンベアで流れ作業をするような仕事には使われていたような気がするのですが

1㎞の平均速度なんて必要だったのかどうか・・・・?

今まで僕自身、何となく気にはなっていたのですが

とくに調べもしなかったのですが

 

今回、時計博士に聞いてみました!!

すると

『初期のレースカーや鉄道に使われていた』

ということだそうです!

 

確かにレースカーとかに使われていたように聞いたことはありましたが

そもそもスピードメーターとかあるでしょ?と思っていました。

 

しかしですね

当時の蒸気機関車や車は衝撃がひどくて、ショックでスピードメーターが壊れたりなど役に立たなかったらしいのです!

衝撃で針がぶれたりもしたらしいです。

 

なるほどーーーー!

 

確かに。

ガタン、ゴトン、衝撃が強そうですね、、、、

で、

どのように1㎞走行したという距離の計測をしていたかというと

レールの継ぎ目とかでわかったそうです(レース場も同様)。

今では平均速度を算出するのに

使用する場面は基本的にはないと思うのですが

ちゃんと活用されていた意味のある目盛りなんですね。

ちなみに

真偽は確かめられていませんが警察がスピード違反の取り締まりでも使っていた、、、という情報もございます。

 

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以上、タキメーターのお話でした。

タキメーター。

実用として使う現代人は少ないと思いますが、それでもちゃんとその存在の意味を知っているのと知らないのでは

物に対する思い入れの度合いも少しは変わるのではないでしょうか。

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