エアロスペースの歴史
こんにちは。
スリークの飯田です。
僕がブライトリングを着用し始めた1990年代後半、当時のブライトリングファンは
最初に機械式時計を買うのですが
2本目、3本目のブライトリングに『エアロスペース』を買う方が多かったです。
当時ほど注目を浴びていないような気がするのですが
ある意味、ブライトリングらしい時計の1つだと思います。
常に熱く実用性を追求したモノづくりをするブライトリング。
今回はそのブライトリングにおいても実用性NO.1と言っても良いのではないか?
と思うエアロスペースのご紹介。
エアロスペース エヴォ
E793B27PST
43㎜
100M防水
よく機械式時計の有名なブランドがクォーツ時計を作る場合、
機械式モデルの廉価版としてクォーツモデルを出したりしますが
ブライトリングの場合はパイロットウオッチとして最先端のテクノロジーを駆使した
クォーツ時計も必要だろう!ということで結構本気で作っています。
その中でも最近話題なのは
自社製クォーツムーブメントを搭載したB55、エクゾスペース。
スマホと連動する所謂スマートウオッチ。
写真のこのタイプで120万円!
この時計の面白いところはスマホの補助ツール的な役割ではなくて
スマホが時計の補助をするような感じと言えばいいのでしょうか。
時計でも操作できるのですが、スマホで簡単に設定でき、記録もできると言った感じです。
そして同じく自社製のクォーツムーブメントを搭載したB50。
こちらはB55からスマホとの連動機能を無くしたようなモデル。
超多機能で、スマホとの連動が不要という方にはコチラでも充分おススメ。
デザイン的にB50とB55は違うのでこれもまた悩みどころ。
が、
しかし!
今日おススメするのは
エアロスペース。
もちろん、B50もB55もそれぞれ違った魅力あふれるモデルなんです。
ただ個人的な『実用性』と言った観点で見るとエアロスペースの最大の魅力が
リューズ1つで全ての操作ができる!!ということ。
しかも、説明書を見なくても感覚的に操作できちゃいます。
そこが他のB50やB55と言ったスーパー多機能モデルと違うところ。
ちなみにリューズを回すと液晶に表示されるモードが変わるのですが
そのモードの種類を挙げておきますと
■時刻表示(時:分:秒)
■ニュートラル(何も表示なし)
■アラーム
■クロノグラフ
■第二時間帯
■タイマー(カウントダウンタイマー)
■曜日 日にち
■秒数 日にち
これだけの機能が付きながら
さらに
■ミニッツリピーター
までついているのです。
ちなみにミニッツリピーターというのは音で現在時刻を教えてくれる機能なのですが
エアロスペースの場合はリューズを押すと音が鳴ります。
たとえば
5時37分の場合
『ピー、ピー、ピー、ピー、ピー』と5回(=5時)鳴り
次に
『ピコッ、ピコッ』と2回(=15分単位で1回鳴るので2回鳴ったというのは30分ということ)
そして
『ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ ピッ、ピッ』と7回(=7分。しかも5分毎に少し間が空きます)鳴ります。
他にもリューズ操作をしているとバックライトが点灯したりもします。
これだけの機能がリューズ1つで
しかも感覚的に操作できるというのは非常に便利!
せっかくのクォーツなのだからもっともっと色々な沢山の機能が詰まった時計が欲しいという方には物足りなさがあるのかも知れませんが
個人的には『腕時計』としてみてら充分な機能というか
より洗練された機能の数、という感じがします。
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そもそもこのエアロスペースは
故アーネスト・シュナイダーさんがBREITLINGの経営を引き継いで本当に作りたかった時計なのです。
詳しくは以前発売された雑誌Chrnosを読んで欲しいです。
クロノス5月号を読んでいただければ充分すぎるほどわかるはず。
ブライトリングが好きな方は保存版として購入していただきたい内容。
(まだバックナンバーとかで買えるのかな???)
WEBでもコチラで少し読めますので是非読んでいただきたいです。
時計ジャーナリストの広田さんがアーネスト・シュナイダーになりきったような迫力で書き上げている渾身の記事です。
まぁ、ここで簡単にご説明しますと
ブライトリングの3代目社長、ウィリー・ブライトリングには跡継ぎがいなかったのです。
それで、事業の継承者として選んだのがアーネスト・シュナイダーさん。
ウィリーがそもそも継承者の条件として挙げていたのがクォーツに秀でていること。
ウィリーはこの先の時計業界はクォーツが主流になっていくと思っていたようです。
一方、アーネスト・シュナイダーはエンジニア(軍で無線関係の先生?をしていたとか)であり
自身も『シクラ』という時計ブランドを持っており、そして自ら飛行機を操縦するパイロットでもあったのです。
まさにウィリーの跡継ぎにはピッタリの条件を満たしていました。
アーネストも自身が思い描く理想のクォーツ時計を作るには『シクラ』では高額になりすぎてしまうと思っていたのではないかと思われます。(シクラは比較的安価なモデルばかりでした)。
しかも『ブライトリング』というブランドにも興味があったに違いません。
そして正式に両社の間で契約が結ばれ『ブライトリング』ブランドはシュナイダーが引き継ぐことになりました。
そのシュナイダーさんが立て続けに出したモデルが
■クロノマット
■オールドナビタイマー
■エアロスペース
となります。
全く新しいパイロットの為の機械式時計として、イタリア空軍フレッチェトリコローリと共同開発されたクロノマット、ブライトリングの伝統を受け継ぐ機械式時計としてオールドナビタイマー、そして最新のテクノロジーを駆使したパイロットウオッチとしてのエアロスペースでした。
この三本の矢が現在のブライトリングの基盤を作ったと言えます。
そして、その大きなきっかけを作ったのがクロノマットと言う方もいます。
もちろん、クロノマットの功績も大きいのですが
先にも述べましたが、どうやらシュナイダーさんがブライトリングで本当に作りたかったのは『エアロスペース』だったんじゃないか、と思われるのです。
そこらへんの詳しい内容は雑誌『クロノス』を一読いただければと思いますが
まぁ、普通に考えたらそうかもしれないですよね。
エンジニアであるシュナイダーが自身の能力を最大限に活かした時計を作りたいと思ったら
それは機械式ではなくクォーツになると思います。
意外と知られていないのですが『アナデジ』と呼ばれるアナログ表示とデジタル表示が一緒になっているエアロスペースのようなモデルを言うのですが
アナデジの特許を取っているのがシュナイダーさんなのですよね。
なお、
エアロスペースのデザインは下記のような変遷をたどっています。
Cal.56
ケース径40㎜
ケース厚9.1㎜
ロゴがNAVITIMERに。後年AEROSPACEロゴになります。
↑左がナビタイマー表記で右がエアロスペース表記。
Cal.56
ケース径40㎜
ケース厚9.1㎜
ベゼルの仕様変更。チムニー(回転ベゼルを支える煙突)に5分毎の刻みが入る。
Cal.65(リピーターが付いた)
文字盤にバーインデックスが入る。
Cal.65
アラビアインデックスが斜めに変更。
エアロスペース・アバンタージュへモデルチェンジ
Cal.79(バックライト付)
※2001年にCal.75(温度補正スーパークォーツ
ケース径42㎜
ケース厚10.4㎜
ライダータブが削り出しになる。
Cal.79
文字盤の仕様変更。
フルアラビアのインデックスになる。
フランジ(見返し)にはレールウェイ目盛りが配される。
エアロスペース・エボへモデルチェンジ。
Cal.79
ケース径43㎜
ケース厚10.8㎜
フランジ(見返し)が無くなる。ベゼルのサイド部分でライダータブの凹凸が無くなる。
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以上のようなエアロスペースの歴史。
1969年に世界初のクォーツ腕時計が誕生してから47年が経ちますが
30年前に出来たこのエアロスペースというモデルはGショックと同様、歴史に名を刻むべき
偉大なクォーツ時計だと僕は思います。
ちなみに余談ですが
1983年に誕生した初代Gショック DW-5000Cは今もなお偉大なモデル。
↑これです。
様々なモデルが生まれているGショックですが
このDW-5000のデザインは不朽だと思うんですよね。
ブライトリングもこれから先も様々なクォーツを生み出していくと思うのですが
このGショックと同様、エアロスペースは不朽の名作となるはずです。
そして
何度も言っていますが
【実用性】・・・・まぁ、何を持って実用的というかの問題もあるのですが
視認性、操作性、耐久性というものを実用性の1つの基準とするなら
個人的にはかなり高い実用性を持ったモデルであると思っています。
特に操作性はかなり秀逸ですよ。
そして、程よく多機能で(この程よくというのがポイントで、もっと多機能になってしまうと操作性に難点が出てくるんだと思います)、
軽くて着けやすく、アレルギー耐性もある。
なんて素晴らしい時計なんでしょう!と思うわけです。
ぜひ一度は店頭で手に取っていじってみてくださいね。
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