時計の裏蓋の種類
こんにちは。
スリークの飯田です。
皆さんが時計を選ぶ上で一番気になる部分がデザインかと思います。
それも正面から見た時のデザイン。
でも、今日はその真逆の場所にある部分・・・・
そう、『裏蓋』について書いていこうと思います。
なぜかって?
それは『裏蓋が一番手に触れる部分だから…恋人と手を繋ぐのと同じくらい重要な部分…』
と名言を残した人がいたからでございます。。。。(笑)
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裏蓋とは…
その名の通り、時計のケースの裏側を密閉するフタのこと。
水分やホコリなどから時計内部のムーブメントを守ってくれています。
通常は時計のケース(本体部分)と同じ素材のフタが使われることが多いです。
裏蓋にも何種類があって
気密性の高い「ねじ込み式」(スクリューバック)や「はめ込み式」(スナップバック)などがあります。
さらに裏蓋にガラスがはめ込まれていて、
ムーブメントを見ることができる『トランスパレント』(シースルーバックやバックスケルトン、裏スケなどとも)なんかもあります。
裏蓋のない『ワンピース構造』というケースもあったりします。
裏蓋の種類ごとに特徴をざっくりまとめてみるとこんな感じです。
<ねじ込み式/スクリューバック>
裏蓋自体がネジ状になっていて、
ネジの溝に沿ってケースに裏蓋をくるくるとねじ込むタイプの裏蓋。
はめ込み式やネジ止め式よりも気密性・防水性が高い為、
ダイバーズウォッチなどに使用されることが多いです。
防水性の高い時計は全体的に分厚いですが、
スクリューバックの裏蓋もそれなりに厚みがあります。
ケースと裏蓋の隙間をさらになくす為、
テフロンやゴム製のパッキン(ガスケット)と一緒に使用されています。
このタイプは裏蓋に数か所溝があって
一般的にはその溝にオープナーを引っ掛けて開閉します。
↑このような感じで開けます。
↑オープナーにはこのように2点式や3点式などがあったりします・・・
なお、メーカーによっては独自の形状の蓋を使用しているものもあるため、
そのメーカーの専用のオープナーでないと開けられないものもあります。
ロレックスやブライトリングは専用のオープナーが必要です。
↑ブライトリングの場合、溝ではなく裏蓋のフチが角ばっているのが特徴です。
もちろん同じメーカーでも、モデルごとに形状は異なります。
ちなみにブライトリングは現在は独自のスクリューバックですが、
昔は(1999年以前)はスナップ式も存在しました。
↑裏蓋のフチが角ばってなくて、溝もないですよね!
↑ロレックスだとこのような裏蓋の溝。
ギザギザしております。
このようにブランド独自のオプナーが必要な場合、そのオプナー(工具)も作らなければいけないですし
各国のアフターサービスの拠点分も作らなければいけないのでコストはかかります・・
<はめ込み式/スナップバック>
裏蓋をケースにそのまま押し込んで閉めるタイプの裏蓋。
ケースと裏蓋との間に若干隙間があるので、
そこにヘラのようなオープナー(←「こじ開け」という名称!)を差し込み
バコッ!!と開けます。
テコの原理で開ける感じですね。開いた瞬間が気持ちよさそうです。。。。
スクリューバックよりは防水性は低いですが、
ケースと裏蓋の間にテフロンやゴム製のパッキンが装着されているので
防水性、気密性はそこまで低くはありません。
ぱっと見た感じ、つるっとしていて 引っ掛けるところが見えませんが、
ケースと裏蓋の間にちゃんと「こじ開け」を入れるスペースがあるのです…
↑ちなみにこれが「こじ開け」です。
<ネジ止め式(ビス止め式)>
裏蓋の周囲を複数のネジで止めて固定する裏蓋。
装飾性が高く、ドレスウォッチやシースルーバックのモデルにも使われたりします。
古典的な方式なので、クラシカルな時計にも多いです。
防水性はあまり高くありません。
ちなみに、時計のケースが円形以外の場合(スクエア、トノーetc.)だと
スクリューバックには出来ないので、
円系以外の形状の時計はスナップ式かネジ止め式が多いです。
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と、裏蓋の種類を書いてきましたが
「結局どの裏蓋が良いの??」ということについては
「使用目的」と「デザインが好きかどうか」で決まってくるかと思うので結論が出せません!(笑)
裏蓋は主に気密性、防水性に関わってくる部品ではありますが、
基本的には現在は非防水の時計は殆どないので日常使いでは関係はないですよね。。。
強いて言えば、裏蓋に刻印されている文字などを時計の表面に対して平行にしたければはめ込みかネジ止めが良いですね。
ねじ込み式だと回して締めていって最後に締め切った時の裏蓋の位置は必ずしも平行にはなりません。
裏蓋を開ける度に位置はずれます。それを嫌うとしたらねじ込みじゃない方がいいですよね。
あとは、
「メーカー独自のオープナーでないと開かない裏蓋と一般的なオープナーで開く裏蓋どっちがいいの?」
ということに関しても、どっちも良さがあります。ムーブメントの自社製か汎用ムーブかの違いにも似ているのですが
長い目で見たときに、メーカーでなくとも時計の修理業者ならどこでもメンテナンスができるのは一般的な仕組みの裏蓋・・・
そう考えると汎用性が高い方がより実用的とは言えます。。。(でもメンテナンスは正規でお出しいただくことをお勧めします!)
なんて思うのですが
メーカー独自の裏蓋はおそらくその時計に最も合ったもの(デザイン的な意味でも)が採用されていると思いますし、
なによりも独自性と誰でも彼でも簡単に裏蓋を開けれないというところが良かったりもします。
だって時計の心臓部を誰でも開けて触れるより、ちゃんとメーカーの人間でないと開けれないという方が信頼度は高くらりますもんね。
ま、なにはともあれ、それぞれの良さがあるのかなぁなんて思います。
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