【TAGHeuer addict】Vol.6 ~オウタヴィア~
『不朽の名作オウタヴィア』
こんにちは。
スリークの飯田です。
タグ・ホイヤーには数多くの名作がアーカイブには存在します。
そんな名作の中でも個人的にはモナコに匹敵する名作だと思うのが『オータヴィア』。
以前モナコをご紹介した時にもチラッと出てきた
【AUTAVIA(オウタヴィア)】についてお伝えしたいと思います!
左:CBE2110.FC8226 42㎜ 100M防水 540,000円+tax
右:CBE2110.BA0687 42㎜ 100M防水 555,000円+tax
今年復刻して話題となったオウタヴィア。
でも
私にとって『オウタヴィア』と言ったら
↑左リューズのこいつを思い出してしまいます。。。。
いつでしたっけ?このモデルが復刻したの?
確か2004年とかじゃなかったでしょうか?
(違っていたらごめんなさい)
当時(今も)モナコ大好きっこだった私ですが
そんな人間にとって
左リューズは1969年当時のクロノマチックを思い出させてくれる憧れの仕様!!
『いーな、いーな、』と言いながら指をくわえていた記憶があります。
デザインも当時を彷彿させてくれるサイケデリックなデザイン。
あぁ、、、懐かしいな・・・
と、そんな私にとっては懐かしいモデルだったオウタヴィアですが、
今年復刻した『オウタヴィア』について、
詳しくご紹介したいと思います。
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①オウタヴィアの歴史と名前の由来
腕時計としてオウタヴィアが誕生したのが1962年。
元は1933年に開発された車載用のストップウオッチの名前でした。
↑オウタヴィア。
ネーミングはオートモービル(自動車)とアヴィエーション(航空機)を組み合わせた造語です。
このダッシュボードタイマーは1958年まで製造されました。
↑これは左がオウタヴィア。右側が8日巻きのムーブメントを搭載した時計『エルビュー』。
このようなセットでの展開もされていました。
ちなみに余談ですが、ライト兄弟が初飛行したのが1903年。
1914年には第一次世界大戦において戦争で初めて飛行機が使用されます。
1927年にはリンドバーグが大西洋単独無着陸飛行を達成。
このように航空機が注目され始めた時代だったからこそ、
1933年にこのようなネーミングが発案されたのだろうと思うとなんか感慨深いものを感じます。
当時の飛行機や自動車。
その後1962年に腕時計として『オウタヴィア』が復活するのですが
1950年代後半から大型旅客機などが運航を始めたりして、一般の人達も飛行機がより身近になってきた時代です。
また、フォーミュラ1は1950年から始まっており、以前カレラの回でも触れましたがカレラ・パンアメリカーナ・メキシコというレースも1950年代後半に行われていたり、カーレースの熱い時代だったのではないでしょうか。
今回、復刻されたモデルは1966年製のモデルで、通称【リントモデル】と呼ばれるモノです。
どのような経緯で1966年製モデルが選ばれたかと言うと、
2016年の春に1960年代に作られたオウタヴィア16型の中から
インターネット投票で選ばれました。
↑この中から投票で選ばれたのです。
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②リントとはどんな人物?
さて、この【リント】モデル。
なぜ【リント】と言うのか?
実は【リント】とは人物の名前なのです。
↑『ヨッヘン・リント』
1942年ドイツ生まれ、オーストリア国籍のF1ドライバー。
その彼が愛用していたのが1966年製のオウタヴィアなのです。
そんな『ヨッヘン・リント』がF1のタイトルを獲得し
チャンピオンとなったのが1970年の1回だけ。
しかし、それが伝説のタイトルとなったのです。。。
1970年、ロータスのエースドライバーとなったリントは
念願のチャンピオン獲得に向けて快進撃を見せていました。
第3戦のモナコGPではレース終盤に15秒先行するジャック・ブラバムを猛追し、
ファイナルラップの最終コーナーで抜いて優勝するという、
歴史に残る大逆転劇を見せました。
ブラバムが優勝すると思っていた競技長はチェッカーフラッグを振り忘れたなんてエピソードも。
その後、第5戦~第8戦まで4連勝を記録。
第10戦イタリアGPを迎えた時点で2以下を大きく引き離しており、
あと残り4レース中、1勝すればチャンピオンが決定するという状況でした(全13戦)。
そして、この第10戦の予選で事件は起きたのです。
リントの操縦するマシンが最終コーナー手前のブレーキングで突如姿勢を乱し
コースアウトしてガードレールに激突。
マシンは大破し、リントは即死の状態であったということです。
その後、大きくポイントでリードしていたリントを上回る者が現れずシーズンが終了。
リントがドライバーズチャンピオンとなりました。
現在もなおドライバーズチャンピオンを
死後追贈されたのはリントただ一人だけなのです!
皮肉なことにリントは妻にチャンピオンになったら引退すると約束していたといいます。
(悲しいですよね、、、)
また、事故の原因も運転ミスではなくマシンの問題だったといいます。
当時のロータスには『速いが危険なマシン』を造るという噂が根強くあり、
リント自身もロータスへの移籍が決まった時に
『これで僕は事故死するか、チャンピオンになるかのどちらかだ』
と冗談を飛ばしていたそうです。
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③オウタヴィアの魅力
1960年代のクロノグラフは個人的には非常に好きです。
理由としては『際立った個性が少ない』から。
クォーツが台頭してきたのが1970年代以降。
つまり1960年代までの機械式時計、特にクロノグラフに関して言えば
純粋に『道具』だったのだと思います。
『道具』だから、求められるのは純粋に実用性や機能性。
そこを追求していけばおのずとデザインというのはどこも似たり寄ったりしてくるものだと思います。
無駄な装飾は不要ですし、実用的な視認性が必要になります。
そのような各ブランドのモデルを見比べてみても際立った個性がないからこそ、
ちょっとした繊細な違い(針やインデックスなどのバランスなど)に好みが別れて面白いのだと思う。
私は料理に関しては大味なので偉そうには言えないけど、
きっと隠し味など繊細な味付けの違いが分かる人には、
この60年代クロノグラフの面白さは分かるのではないかな?と思っています。
そして、この復刻したオウタヴィアに関して言えば
丸々当時のモデルを忠実に復刻したのではなく、
当時のエッセンスを上手く残しながら現代人が広く好む味付けに昇華させたな、
と思うわけです。
当時の物をサイズからデザインまで忠実に再現すればマニアにはウケると思う。
それはそれでいいのだけど、あまりにも忠実すぎると
『だったらオリジナルのヴィンテージを買った方がいい』ともなるわけで。
そこが復刻の難しいところだと思っています。
どの程度のバランスでオリジナルと現代的要素をミックスさせるかが腕の見せ所じゃないか、と。
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さて、この復刻オウタヴィアですが、
個人的に少し納得のいかないところがあります。
↑30分積算計です。
普通、30分積算計の目盛りは1分毎に刻まれているのが一般的です。
しかし、このオウタヴィアは赤く囲ったように2.5分、7.5分、12.5分、17.5分、22.5分、27.5分に目盛りが入っているのです。
もちろん、1分毎に針はジャンプするのでこの目盛りで針が止まることもありません。
なぜ?
なぜなんだーーーーー!!!
とある情報筋からは単にミスだとの話も。
でも、これはこれでマニア受けするからいいじゃないか、との声も。。。。
まぁ、実際問題ここまで細かく気にする人ってそんなにいませんしね、
居ても逆にレア感があって良いのかもしれません。
ただ、間違いだったにせよ
最初は私は否定的だったのですが最近少し考え方が変わってきました。
実はむしろこちらの方が視認性がいいのでは?!と思い始めました。
↑に書いたように針が目盛りと目盛りの間でどちら寄りにあるかで経過時間を読み取る。
1分毎に目盛りが記載されていると目盛りが多くてパッと見て瞬時に読み取るのは少し大変です。
しかし、目盛りを少なくし、針の位置で時間を読み取るのは瞬間的な読み取りやすさはあります。
なので、
これはこれで実は実用的な目盛りの配置になっているのではないか!?と思うようになったのです。
※後日このインダイアルは修正されました。。。
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思わず、大好きなモデルなので熱く語ってしまいました。。。。
まぁ、上記のような面倒なことは抜きにして、
今までのタグ・ホイヤーの中でも単純に魅力的な所があります!
その1つが
80時間のパワーリザーブ
昨今3日以上のパワーリザーブがある自社製ムーブメントが主流となってきているので
一般的にはそこまで凄く感じない人もでてきているかもしれません。
でも自社製ムーブメント搭載モデル、しかもクロノグラフだと
けっこうイイお値段になることが多いです。
それなのにこのオウタヴィアは50万円台というのが素敵!
しかも、これも現在の自社製クロノグラフムーブメントの流行りではありますが、
『垂直クラッチ』の『コラムホイール』です。
高級機には当たり前の仕様と認識されつつあるので、そこはちゃんとおさえていると。
あ、ただ個人的には垂直クラッチじゃなくても『スイングピニオン』も『キャリングアーム』も好きですし、
コラムホイールでなくても『カム式』も好きです(つまりはどれも好きと思っている方です……(笑))
そして、こんな素晴らしい仕様のムーブメントなのにメンテナンス価格が良心的!!
他のモデルと同じです。
国内正規品のオーバーホール料金は40,000円。
クロノグラフだと8万~10万円くらいするところも多くなっていると思うのでここは本当に魅力的です。
と、まぁ色々と書かせていただきましたが
デザイン的にも機能的にも死角のないモデル(個人的に)だと思っています。
ぜひ一度マジマジとご覧になってみてください。
おススメです!
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