PANERAIの選び方
こんにちは。
本日はいつもとちょっと趣向を変えまして、
パネライの選び方をご紹介したいと思います。
よく、お客様からパネライはどれも同じように見える!とお言葉をいただきます。
たしかにモデル的にはルミノールとラジオミールという2つの顔があります。
違いを言えば、リューズガードがあるかないかです。
皆さんがパネライを選ばれる時には、まずこのラジオミールかルミノールどちらがいいか?
ということで悩まれると思います。
普通のブランドなら、モデルのカテゴリーをラジオミール系、ルミノール系みたいな感じでカテゴライズするのでしょうが、パネライはムーブメントでカテゴライズしています。
手巻きと自動巻きでまずは分かれます。
手巻き=ヒストリックライン
自動巻き=コンテンポラリーライン
そのように分けられています。
さらに、上記の図でいいますと
上段:P.2000系ムーブメント
中段:P.3000系、P.9000系ムーブメント
下段:ETAムーブメント(他社ムーブメント)
それぞれのムーブメントに特徴はあるのですが
上段の方がよりクオリティとスペックの高いムーブメントになります。
分かりやすい面で言えば上段群は8日間以上のパワーリザーブがありますし、
中段は3日間のパワーリザーブになります。
しかし、ムーブメントの良し悪しを見るにはそのようなわかりやすい性能ではなく、
『機械の作り』で見てみないとわかりません。
そのような観点からいうと間違いなくP.2000系は物凄く良い作りをした機械です。
パーツの仕上げや構成、耐久性などやはり上位機種なだけあります。
ただ、ムーブメントの良し悪しを自分なりに理解したいのでしたら、
やはり店頭に足を運び店員の話とかを聞いてもらった方が良いと思います。
店員の話を丸呑みするのではなく自分なりに理解して判断してほしいです。
どのような角度からそのムーブメントの特徴を捉えるかで良し悪しなんてのは個人個人で変わりますから。
そしてこれらのムーブメントを搭載した代表モデルが下記のようになります。
正面から見ると似てるように見えますがケース形状が違います。
自社ムーブを採用している上段、
中段は『1950ケース』と呼ばれる50年代の立体的で曲線的なケース形状を採用しています。
また、1950ケース採用のモデルはインデックスの『12』のデザインが下段のETAムーブモデル(112、104)とは違います。
その112と104を比較してみても112の『6』と104の『6』とではこれまたデザインが違います。
このようによーく見ていくと微妙な違いの発見があるのがパネライの特徴です。
パネライの各モデルは基本的にはこれら6つのカテゴリーのどこかに分類されます。
(細かく言うとちょっと違うのですが、それはまた後日ご説明します)。
で、僕がお客様にご説明させていただく時にも言わせてもらうのですが
パネライの代表モデルはPAM00233です。
僕はこのモデルが上位機種でありながら、現在のパネライの基本であり、代表作だと思います。
パネライが開発した初の自社ムーブメントがP.2002であり、それを搭載した初代モデルがPAM00233です。
そして、P.2002は最初からかなりの完成度の高さであり、
その後に開発された新型ムーブメントはP.2002から裾野を広げるものです。
逆にハイエンドモデルはP.2002をベースに改良したものですし、
何はともあれP.2002が中心にあるのです。
PAM00270はPAM00233を自動巻きにしたモデル。
ただ、インデックスの字体は233の方が大きい。
その為、270は『9』が入っているので、これらをどう判断するか、という感じです。
P.2000系のムーブを搭載しているモデルは風防がサファイアなのにドーム状になっているのが良いですよね。
中段にあるこれらのモデルは、これはこれで魅力があります。
PAM00372は50年代、イタリア海軍に納入されていた頃のモデルと瓜二つのレプリカモデル。
サイズも47㎜、ケース形状も他の1950ケースとは違いさらに手の込んだ作り。
パネライの歴史的背景に傾倒しているファンは間違いなく1本手に入れたいモデルに違いない。
PAM00312は初めて機械式時計を持つ方や日常でハードに使いたい方には良いと思います。
自動巻きで日付もあり、防水性も300mあります。
ブレスにも付け替えできますし、一番凡庸性があるモデルに思います。
下段のこれらのモデルはパネライの中ではエントリーモデルに所属します。
しかし、そのエントリーモデルではあるのですが、良くありがちな単なる格下モデルという感じでもなく
上述した上段、中段のモデルとはまた違った魅力を持たせているのがパネライの素晴らしいところだと思います。
PAM00112のムーブメントは歴史的な名機、ユニタスを徹底的に仕上げし直して採用しています。
ケース形状は曲線的な立体感は少なく造形美としては1950ケースよりは物足りなさを感じるところもあります。
しかし、ムーブメントやケースにおいて物理的な無駄を徹底的にそぎ落としたディテールはコストを落とし、
耐久性と実用性を徹底的に追求する軍用時計として理念を受け継いでいるように思えます。
PAM00104はPAM00312が登場するまでは、
まさに現在のPAM00312のポジションにあったパネライの中で一番凡庸性の高いモデルで主力モデルでした。
PAM00312の登場で少し影が薄くなったように感じる方もいるかもしれませんがこれはこれで未だに褪せない魅力をもっていると思います。
それはサンドイッチ文字盤ではない文字盤です。
毎年出てくる新作はどんどんサンドイッチ文字盤ばかりになっていってます。
サンドイッチ文字盤がパネライらしいと言えばらしいのですが
その『らしさ』とは別に、やはりシンプルな文字盤ゆえ、
斜めから見た時にサンドイッチ文字盤だとインデックスが見えなくなり文字盤の華やかさが失われます。
しかし、プリントインデックスならばどの角度から見てもインデックスはちゃんと主張されているし、
さらに日付に付いたサイクロプスレンズが一層の個性を際立たせてくれるのです。
このように一見、どれも同じように見えるパネライですが
1本1本の個性はまるで違います。
文才がない僕の文章ではその個性がうまく伝えれていないのがもどかしいのですが
もし、パネライに興味がある方がいましたら
まずは店頭にて商品の説明を聞きながら
手に取って色々な角度から眺めてみると良いですよ。
デザインと値段で選ぶのも良いですが
気に入った時計がブランドの中で、どのようなポジションで
どのような特徴を持ったモデルなのかをわかった方が
購入した後の楽しみもあると思います^^
パネライのモデルはコチラ
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