腕時計の選び方
タイトルにも書いた通り、今日は腕時計の選び方をご案内?しようと思います。
『初めて一生物の時計を買おうと思っているという方』に向けての案内です^^
店頭で接客をさせていただいていると、初めて時計を買おうとしている方で沢山ある時計の中からどうやって選べばいいかわからない!という方がいらっしゃいます。
確かにスイス時計だけでも500~700ブランドあると言われていて、その中で日本に入荷しているだけでも100ブランド以上はあり、さらに毎年各ブランドから新作が出てくるわけで・・・
『一生物だから!』というのと『高級だから!』というのがあり、慎重になってしまいどう選んだらいいかわからなくなってしまうわけです。
そんな方へ私からのアドバイスです。個人的な意見なので、賛否あるかもしれませんが、参考にしていただけたら幸いです。
まず私が思う時計選びの基準を優先順位にご案内しますね。
①見た目が好きなデザイン
なんだかんだ言っても見た目の好みが1番重要だと思います。腕時計は1日の生活の中でも一番見る回数の多いものだと思います。見た時に自分のテンションやモチベーションを上げてくれる、そんな時計が一番だと思います。時計のスペックや中の機械(ムーブメント)はどんな物かなんてのは二の次でいいと思います。洋服選びなんかとも一緒ですよ。素材が○○のウールを使っているとか仕立てがどうだ、とか。それらは重要かもしれませんが、まずはデザインが気に入らなければ意味がないじゃないですか。腕時計選びもそうだと思います。まずは見た目に惚れれるかどうか、です。
ちなみにスペックやムーブメントが重要じゃない、というわけではありません。時計愛好家やそういうスペック好きの人にとっては時計選びの重要な要素の1つであることは間違いありません。ただ一生物の時計を初めて買おうとしている人にとってはそれほど重要ではないと思います。
②歴史のあるブランド
次にブランドの歴史性。一生物として選ぶからには将来『それどこのブランド?』と言われるような消えてなくなるブランドは選ばない方がいいと思います。そう考えると歴史のあるブランドはこの先も存続していく可能性が高いので自信をもって身に着けられると思います。
また①の話に戻りますが歴史のあるブランドの物ならばある程度はスペックも機械もそれなりのモノになっているので最初の時計選びとして深く考えなくてもいいと思います。
ちなみにスイスブランドは1800年代創業のブランドが多いです。100年以上歴史のあるブランドは間違いないと思います。ただ気をつけていただきたいのはブランドは昔に存在していたけど一旦消滅して、近年になって大きな資本がそのブランドを復興させたというものも意外に多いです。そのようなブランドの場合はどのような資本が復興させているかなんかも気にした方がいいかもしれません。
③歴史のある代表的な定番モデル
歴史あるブランドでも毎年新作を出すし、毎年生産終了になるモデルがあります。
10年前のカタログを見ても、『そういえばこんなモデルあったなぁ~』なんてのが結構あります。
何十年も先を見据えて時計を購入するなら、やはり歴史あるブランドの歴史あるモデルが良いと思います。歴史ある代表的な定番モデルはそのブランドの顔であり、そのブランドが続く限り消えないモデルだと思います。
そして、今まで何十年間と支持されて来ている定番はこの先何十年も支持され続けるデザインの時計であるはずです。
ちなみに気をつけて頂きたいのがモデル名は歴史あるのですが、デザインが全然オリジナルとかけ離れているものもあります。モデルチェンジを繰り返しながらオリジナルの意匠がほとんど残ってなくなってしまったものもあります。それはもはや定番とは言えないように私は感じます。
モデルチェンジは悪くないと思います。時代や流行で変化していくモデルチェンジもブランドの商品群の中には必要です。ただ、一生物の時計を選ぶ場合、できればオリジナルのデザインに近い物がいいと思います。そのモデルが持つアイデンティティーがちゃんと継承されている物が良いです。そこらへんのさじ加減は難しいところで、判断するのに初心者の方は難しいかもしれませんが、そんな時はお店の人に聞いてみてください。
なお、個人的には最低でも10年以上続いている定番モデルが良いと思います。50年以上歴史のあるモデルなら間違いないですね。
それと、ここは私にとって重要なんですが、『何でそのモデルが誕生したのか?』。
そのモデルが誕生したストーリー、バックボーンなんかも重要な要素かな?と思います。また、そのストーリーに感動して余計にそのモデルが好きになったりもします。
④価格は100万円以内なら妥協はしない
一生物を買おうと思ったら、高価なものなので価格にも相当シビアになるのが当然です。
店頭でお客様の声を聞いていると最初は30万円くらいで一生物を探している方が多いように思います。確かに30万円と言ったら高額ですし、興味のない方から見たら30万円の時計でも『高すぎる』と思うかもしれません。ただ、現在の各ブランドのモデルを見ると50万円前後のモデルが一番主力となっているブランドが多いように感じます。
で、ここに書いた『100万円以内なら妥協しない』ということですが、これから先の人生を共に刻む時計なのですから、金額では妥協してほしくないわけです。後で『あっちにしておけば良かった』って思ってほしくないわけです。だからといっても金銭的な限度もあるわけです。そこで基準にさせてもらったのが100万円。100万円以上になると最初の時計としてはそこまでの機能やスペックは必要ないんじゃない?というものが付いていたり、高級な素材を使ったりしているモノなどがほとんどです。
もし、予算が30万円なんだけど、本当に欲しい時計が90万円だったら妥協しない方がいいです!予算の3倍もの値段。ですが例えば自動車を購入する時、260万円の車と200万円の車、本当に欲しい車が260万円だったら妥協しない方が多いのではないでしょうか?
もっと言うならば、家を建てる時、60万円差での妥協はしませんよね。
一生物の時計を選ぶ時、この先の人生を共に過ごすわけです。大切に使っていく為にも心のどこかに妥協を残して欲しくないものです。
⑤ブランドのアフターサービス体制
永く時計を愛用していく中で必ず必要になってくるのがメンテナンス。
メーカーのメンテナンス体制や料金がどのようになっているか知っておくのも重要なこと。
時計には3年~5年に1度はオーバーホールという定期的な分解洗浄のメンテナンスが必要です。
内部に使われている潤滑油が劣化していくので時計の部品を全部分解し、きれいに洗浄
。そしてまた新たに油を差しながら組み立てるという作業です。
中には10年以上オーバーホールをされていない方もいらっしゃいます。それでも動く時計もあるのですが、動いているからと言って大丈夫なわけではありません。時計にとってはやはり良くないのです。大切ならばこそ定期的なメンテナンスは是非してください。
オーバーホールの内容を知りたい方はコチラで見ていただくとわかりやすいと思います。
そのオーバーホールの料金もブランドによっても違いますし、同じブランドでもモデルによって違ってきます。詳しくは店員に尋ねると良いと思います。
一般的にはシンプルな3針時計だと4万円前後、ストップウオッチが付いているクロノグラフだと6万円前後の価格設定になっているブランドが多いです。
そうそう、言い忘れていましたが一生物=機械式時計という前提でお話しさせていただきました。
時計にはクォーツ時計と機械式時計があります。
クォーツは電池で動く時計
機械式はゼンマイで動く時計
です。
クォーツは一生物ではないのか?というと何とも言えない、というのが正直なところです。
クォーツの場合、中の基盤の寿命があります。基盤が駄目になってしまうと、基盤を丸ごと交換しないといけなくなるのですが、同じ基盤を作ってるかどうか?ということが問題となります。
家電製品なんかを想像してもらってもわかると思うのですが、古くなったテレビが壊れたら直せなくなること多いですよね。そんな感じと一緒です。
・・・・と、まぁ時計選び方などと偉そうに書いてしまいましたが、簡単な話、好きな物を買えばいいんだと思います。ある方が言ってたセリフがあります『時計くらい選ぶこと出来ないでどうする。自分が着ける時計くらい選んで購入する決断できない奴がこの先、人生の何を決断できるというんだ?』と。荒っぽい言い方かもしれませんがその時私は『そうだよなぁ~』ってしみじみ思いました。
ぜひ、一生の宝物になる時計に出会い、
人生の苦楽を共に過ごす相棒を手に入れてください。
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