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【名作タグ・ホイヤー】vol.5~リンク~

2018.09.06

スリークBP

『リンクとは一体なんなのか?』

 

 

スリークの飯田です。

タグ・ホイヤーを取り上げておいて触れなければいけないモデル。

 

それはLINK(リンク)。

 

本日はそのリンクのご紹介をします。

 

以前、フォーミュラ1の回でも触れたのでご存知の方も多いと思いますが

 

リンクの始まりは元々は『S/el(セル)』シリーズとして1987年に誕生しました。

1987 - The 'S/el'

名前の由来はスポーツエレガンスを組み合わせたものでした。

 

SPORTSS

 

ELEGANCEEL

 

これを組み合わせた造語です。

 

個性的なS型リンクのブレスレットが特徴的なモデルでした。

 

「エディ ショッフェル」の画像検索結果

 

デザインしたのはこのエディ・ショッフェル氏。

 

私の記憶が正しければ1998年頃の日本の時計雑誌にはS/elのデザイナーとしてちょいちょい取りあげられていたはずです。

その時はエディ・ショファーとかなんとかって表現されていたような・・・

 

近年では永らく(2017年まで)ブライトリングのデザインを全面的に手掛けていたのでリンクやS/elの話題で公式には出てきませんでしたが

このS/elのブレスレットをデザインした偉業って本当に凄いと思うんですよね。

 

 

人間工学に基づいて設計されたデザインです。

「Heuer S/el design」の画像検索結果

TAG Heuer S/el Bracelet Link

この独特のコマの形状。

曲線が何とも美しいですよね。

 

時計本体ではなく、ブレスレットのデザインがそのモデルを象徴するデザインになるとは

他の時計ブランドを見渡しても他にないと思います。

 

そういった意味では唯一無二の存在ではないでしょうか。

 

当時はこのブレスレットの与えたインパクトは相当だったと思います。

模造品なんかもすごく出回っていたような記憶があります。

 

 

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そして、そのS/elの人気を決定付けたのがこの方。

「ayrton senna」の画像検索結果

アイルトン・セナです。

 

F1の貴公子。

 

セナについては以前F1の回でも触れましたが本当、当時の人気は凄まじいものがありました。

 

そのセナが着用していたのが

「1987 S/el Heuer」の画像検索結果

これ。

 

他のTAGHeuerも色々と着けてくれていたみたいですが

「SENNA S/el」の画像検索結果

セナと言ったらS/elでした。

 

みんながセナに憧れて

 

みんながセナになりたくて

 

みんながS/elを着けていた時代です・・・・

 

あ、そういえばセナで思い出しましたが

 

最近の若い人で『セナ』って名前の方をお見掛けすることがあります。

名前の由来を聞くと

「ロングバケーション」の画像検索結果

この影響だとか。。。

 

1996年放送のドラマですがめちゃくちゃ人気がありましたよね。

 

木村拓哉さん演じる『瀬名 秀俊』。

 

山口智子さんが『瀬名~!』って呼んでばかりいるから

 

お子さんの名前をセナにした方も多いようでした。

 

余談ですが、この頃のキムタク人気すごかったですよね。

ラブ・ジェネレーションでROLEXのエクスプローラーⅠを着用していて

あっという間にエクスプローラーが大人気になって並行品の価格もだいぶ上がったのが記憶にあります。

 

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②リンクの変遷

 

さて、横道にそれてしまいましたが

 

圧倒的な人気を誇るS/elシリーズでしたが

 

1999年に『LINK(リンク)』と名称を変えました。

 

LINKという言葉にはもちろんスポーツとエレガンスを繋ぐという意味もあるのですが

 

2000年を目前にして、ミレニアムへ繋ぐという意味も持たせての変更でした。

 

「TAG LINK 1999」の画像検索結果

当時のLINK。

 

この頃はまだ回転ベゼルも備えていました。

ブレスレットの駒はS/elの頃よりはシャープさが出てきていますが曲線的な部分は残ったままです。

 

 

 

 

そして、2002年にはバリエーションの1つとして

ゼニスのエルプリメロをベースとしたムーブメント『キャリバー36』を搭載したモデルがでました。

「TAG LINK Cal.36」の画像検索結果

↑これです。

 

今でも個人的にはこのモデルは名作中の名作だと思っています。

 

当時、名機『エル・プリメロ』を搭載している時計と言ったら、ゼニス以外ではロレックスのデイト、パネライの一部モデル、そしてこのTAGのリンクくらいしかありませんでした。厳密にいえばデイトナもこの時にはエル・プリメロではなく自社製のムーブになっていたのですが市場にはまだまだエル・プリメロ搭載のデイトナ人気が高かったです。

 

しかも、このリンクは200M防水でしたからね!

デイトナやゼニスの各モデルは100M防水。(パネライは同じ200M防水でした)

 

実用性も非常に高い逸品でした。

 

 

 

 

2006年にはリンクで『キャリバーS』を搭載したモデルが登場しました。

TAG Heuer Link Calibre S

『キャリバーS』とはムーブメントの名称です。

 

独立した5つの高性能双方向マイクロエンジンを内蔵した、エレクトロ-メカニカル・ムーブメントです。

リューズを押すと時刻モードとクロノグラフモードが切り替わります。

 

どういうことかと言いますと

「LINK キャリバーS」の画像検索結果

↑上の時計の場合

普段の時刻表示として読み取ると

扇状のインダイアルの左が日付の10の位。右が日付の1の位を指します。

上の写真だと10時10分46秒。日付は『23日』ということになります。

 

これがクロノグラフモードだったとするどのように読み取るかというと

センターセコンドがクロノグラフの秒針となりまして

扇状のインダイアルの左が1/10秒計。右が1/100秒計となります。

つまり上の写真だと10時間10分46秒23

※クロノグラフモードだと長針がクロノグラフの60分計、短針がクロノグラフの12時間計となります。

TAG Heuer Calibre S Movement

↑キャリバーSのパーツ。

 

とても画期的な時計だったのですが、残念なことに今は生産終了となっています。。。

 

 

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では次にリンク クロノグラフのデザインの変遷を見ていきましょう。

2004年からは回転ベゼルがなくなり、シャープですっきりした印象のモデルになりました。

 

2007年からはタキメーターがベゼルに配置され、9時位置のスモールセコンドが大きくなり

インダイヤルのバランスを変え、文字盤の間延びを無くしました。

(ちなみにこのデザインは2005年には青文字盤、2006年にはグレー文字盤で出ていました。2007年に黒文字盤も含めて全部デザインが統一されました)

 

2010年にはスモールセコンドがさらに強調され、曜日表示も追加。スポーティーな印象が強くなってきました。

 

そして、2012年に出たモデルが現行です。ブレスレットはよりシャープにエッジの効いたものになり、若干スポーティーさを抑えた仕様となりました。

 

TAG Heuer Design Sketch

 

 

TAG Heuer CAT2010.BA0952

CAT2010.BA0952

43㎜

100M防水

465,000円+tax

 

現在ではカレラシリーズのバリエーションが増えて、リンクの存在感が少し薄れているような印象がありますが

今も変わらずタグ・ホイヤーのクロノグラフの代名詞的な存在であることは間違いありません。

 

個人的なリンクに対する思い出というか思いは

1999年のリンクを見た時は当時は何となく野暮ったい感じがして、もっとシャープな感じになったらいいのにと思っていました。

2004年にモデルチェンジした時には、『おお~いい感じじゃん!』と思った記憶があります。

でも、現在は自分の中で一周して1999年のリンクやS/elが凄くカッコよく感じるんですよね。

よく流行はサイクルすると言いますが、その感覚に近いものがあります。

 

今でも当時の時計を大切に使ってくださっているお客様も多いですが

本当、良い時計なのでこれからも大切にお使いいただけたらと思っています。

 

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と、このような変遷を辿ってきたリンクですが

 

去年、レディースモデルが新しくなり、

そのデザインを追従するかたちで今年はメンズモデルも新しいタイプが出ました。

 

WBC2111.BA0603202017_0

WBC2111.BA0603

41㎜

100M防水

320,000円+tax

 

ラウンドケースなのですが、ベゼルの4方向にエッジを入れる事で

パッと見た目の印象はクッションケースのような雰囲気になりました。

 

 

 

リンク 100 M - 32mm ホワイトマザー・オブ・パール&ダイヤモンド文字盤 WBC1312.BA0600 タグ・ホイヤー ウォッチの価格

WBC1312.BA0600

32㎜

100M防水

255,000円+tax

 

レディースはこんな感じ。

写真は文字盤がMOP(マザーオブパール)でダイヤインデックス。

他にもベゼルにダイヤが入ったものや、まったくダイヤが入っていない仕様もあります。

 

新しいリンクのブレスレットはメンズも共通してこのように表面はサテン仕上げしており

角に面をとり、そこをポリッシュしてあります。

 

特徴的なのはラグ周りも。

一般的な凹型のラグではなく、凸型のラグ。

ケースからブレスにかけて流れるような線で全体をまとめています。

 

 

洗練されたスタイリッシュな印象の新しいリンク。

男性のフォーマルな装いにもおさまりが良いモデルです。

 

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以上のようにリンクの過去から現在までを見てきましたが

 

リンクとは何だろう?と考えさせられます。

 

一番最初のS/elも、最新のリンクも、

パッと見た目の印象は違うのですが、やはり同じシリーズということは感じられます。

 

それは先にも述べましたが、リンクのデザインコードがS字ブレスだから。

 

逆を言えばS字ブレスさえ付いていればどんなデザインであれ、リンクになってしまう。

 

さらに言うと、そのS字さえも多少の形状が変わってもS字であればリンクであるのだ。

 

そう言ってしまうと何だか一貫性のないモデルのように感じられるかもしれないですが

 

そもそも『LINK』というネーミングは『繋ぐ』です。

 

色んなデザイン要素を時代と共に変遷しながら繋いでいるのもまたリンクらしさなのではないか?と思ったりするのです。

 

また、どのようなデザイン変更があれ、リンクのデザインに込められているデザイナーの思いには

 

『スポーツとエレガンス』が存在しています。

 

全くスポーツ要素のないリンクも

 

全くエレガンス要素のないリンクも

 

今までは存在していません。

 

しかも、それをそう成しえさせているのは間違いなくS字のブレスレットだと感じます。

 

時計本体だけ見ればエレガントな物でもブレスレットによってスポーティーさが加えられたり

 

時計本体がスポーティーなデザインでも、ブレスレットによってエレガントさが兼ね備えられている

 

というのが歴代のリンクを見てきての私の感想です。

 

そう考えると、S/elから始まったこのS字のブレスレットの発想というのは本当に偉大な発想で

デザインだったんだなぁ・・・と思うわけです。

 

リンクのふり幅の大きさはなかなか魅力的であり

 

今後もどのように変化・進化していくのかが楽しみなシリーズであります。

 

リンクシリーズはコチラから

 

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