【SINN】8つの”ジンテクノロジー”を解説
2018.10.15
スリークBP
ジンと言えば、、?
そうです。
“ジンテクノロジー”ですよね!
1961年の創業以来、
ジン社は高品質の機械式時計に全力を注いできました。
エンジニアのローター・シュミットが、
1994年に創業者からジン社を引き継いだとき、
ジンのテクノロジーの新時代が幕を開けました。
ジンが実現した数々の革新は、
驚嘆するものばかりです。
“ジン・テクノロジー”と名付けたユニークな技術開発には、
以下のようなものがあります。
①ハイドロ — 高い防水性能
高い防水性を追求する際にポイントとなるのは耐圧性能です。
従来のダイバーズウォッチでは深く潜水すると
外気圧と内部気圧の差により時計ケースが破壊されてしまいます。
そのため多くのダイバーズウォッチがケースを分厚くすることで耐圧性能を保持しているのが現状です。
ジン社では、
時計ケースにシリコンオイルを封入することにより、
時計ケース内部の気体の収縮率を海水や淡水とほぼ同じにするというハイドロ・システムを開発。
これは外気圧に対してまったく同じだけの内部圧で押し返すというパスカルの原理の応用です。
これによりごつごつした分厚いケースなしに5000mという高い防水性を実現しています。
また、ハイドロには文字盤の視野角度が飛躍的に向上するというもうひとつの特徴があります。
ガラスとほぼ同等の屈折率を持つシリコンオイルの効果により、光の反射で視認性が落ちるのを避け、水中でのあらゆる角度からの完璧な視認性を得ることができます。
ダイバーズウォッチとして、まさに革新的な技術です。
②Arドライテクノロジー — 精度の安定・ケース内の除湿機構
機械式時計のムーブメントのパーツは、
それぞれが円滑な運動を行えるよう潤滑オイルが使用されています。
時計内部の空気に含まれている湿気や時計内分に拡散した水蒸気により
この潤滑オイルが劣化すると、
機械式時計の精度に悪影響を及ぼします。
ジンのArドライテクノロジーは、
ドライカプセルの搭載、
EDRパッキンの使用、
プロテクトガスの充墳
という3つの技術的要素により、
ムーブメントはほぼ無水の環境となりこの問題を解決。
オイルの劣化プロセスと突然の気温低下による
サファイアクリスタル風防の曇りが防止され、
信頼性の高い機能と精度が保証されます。
ドライカプセル
ジンの開発したドライカプセルは、
Arドライテクノロジーの最も重要な要素です。
このカプセルには特殊乾燥剤が充墳されており、
これはケース内の水蒸気を吸収し時計ケース内の湿気を取り除きます。
ドライカプセルに吸収された水分量が増すにつれて、
淡いライトブルーからネイビーブルーへと色が変化します。
プロテクトガス
潤滑オイルの劣化が引き起こす放電腐食を防ぐため、
時計のケース内に希ガスと呼ばれる
極めて安定したプロテクトガスを充墳することにより、
静電気や不安定ガスを含む空気を可能な限り排除し放電腐食を防ぎます。
この充墳後は、空気から拡散した水分のみが上記のドライカプセルによって吸収されることになります。
文字盤のArのマークはプロテクトガス封入の印です。
EDRパッキン
時計ケースへの大気中の水分の貫通を最小限に抑えるため、
ジンではEDR(超拡散削減)パッキンを使用しています。
二トリルゴム(NBR)を使用した
従来のケース用パッキンでの許容値と比べ
水分浸透を最小25%にまで削減することができます。
③ジン特殊オイル66-228 — 広範囲な温度での精度保証
機械式時計のムーブメントのパーツが
円滑な運動を行えるよう使用されている潤滑オイルは、
通常-25℃で粘性が高くなり時計の精度が維持できなくなりますが、
ジン社開発の特殊オイルは
-66℃まで粘性を維持し+228℃まで蒸発が起きません。
このオイルの使用により急激な温度変化に耐え、
-45℃から+80℃の温度範囲でDIN(ドイツ工業規格)の定めた
刻時精度の維持を可能にしました。
このオイルが使用されているモデルは、
ドイツ出荷の際に全品-45℃と+80℃での検品が行われています。
④マグネチック・フィールド・プロテクション — 高い耐磁性能
磁気が時計の精度に悪影響をあたえることに気づいたのは1960年代です。
当時の防磁性能の時計は軟鋼性のインナーケースを使用し
ムーブメントを磁力線から保護しましたが、
時計ケースが必要以上に分厚くなるいった難点がありました。
そこでジン社は軟鉄を使用した
マグネチック・フィールドにより磁力線を遮断し、
80,000A/mという驚異の防磁性能を実現したのです。
軟鉄製のリングでムーブメントを囲み、
さらに文字盤と裏蓋にも軟鉄製の素材を使用し、
磁気を遮断しています。
⑤テギメント — 表面硬化・キズの防止
テギメントとは、
窒素を使用した浸炭加工を時計のケースに施すことにより
鋼材の表面に炭素分子を拡散・浸透させ、焼入れして硬化させる技術です。
素材の表面をセラミックと同じ1200ビッカーズ、
あるいはそれ以上の硬度にして時計に傷がつくのを防ぎます。
この加工はマットやポリッシュ等ケースの仕上げの種類を問わず可能です。
ジンでは、この技術はPVDコーティングの基盤ともなっており、
テギメントとPVDを併せて使用することで、
ケース本体からコーティングが剥がれるといった
エッグシェル現象を起こす心配がありません。
⑥ディアパル — 長期にわたる精度の安定
時計を永く使用するにあたり、
オーバーホールは重要なメンテナンスです。
ディアパルは、このインターバルを通常の約二倍に伸ばします。
ディアパルシステムでは、
時計の精度を保つために最も重要な
脱進機のガンギ車と鈎石に特殊な素材を組み合わせることで、
潤滑オイルを使用しなくても部品同士が摩擦を起こさずに作動。
長期間にわたりムーブメントの、
とりわけ脱進機の精度を保つことができます。
⑦特殊結合方式の回転ベセル — 確実な装着
特殊結合式の回転ベゼルは通常のはめ込み式ではなく、
ジン社独自の特殊技法でケースにセットされているので、
絶対に外れることはありません。
新設計によって装着は確実ですが、
修理にあたっては分解は容易にできるようになっています。
さらに、モデルU1000については
衝撃などにより意図せずベゼルが回転しないための
安全システムを搭載しています。
U1000の回転ベゼルは、
ベゼルの2点を下に押し下げることで
初めて回転させることができます。
この安全システムは、
モデルT1およびT2にも搭載されています。
⑧[Q]テクノロジー — 電磁波の遮蔽
アナログのクォーツ・ムーブメントでは、
輪列の駆動はいわゆるステッピングモーターを使用して行います。
この小型のモーターは、継続的に動くのではなく、
1秒間毎に特定の角度だけ回転する電気モーターです。
変動電流が流れる各パーツと同様、
クォーツ時計のステッピングモーターは、
動いている間、電磁波を発生します。
文字盤に[Q]マークが付けられたモデルの場合、
ムーブメントの電磁波は最小限に抑制されます。
この技術では、クォーツ・ムーブメントは
ムーブメントの周波数と同調する吸収特性を持った特殊合金で覆われます。
この技術を搭載したモデルは、
クォーツ時計用の検査器の上で、
ステッピングシグナルが感知されません。
ムーブメントの放射は、
ケースの中に閉じ込められ、
外へ漏れ出ることはありません。
通常のクォーツ時計からは多くの家電装置に比べて
微弱な電磁波しか発生しませんが、
これを感じる使用者のために
ジンではこの[Q]テクノロジーを開発したのです。
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ジンのウォッチメーカー、デザイナー、エンジニアのチームは
技術革新、新素材、新たな製造方法に注力しています。
ジンが目指すのは、
証券取引所、極地探検、水面下や雲の上、砂漠や熱帯雨林など、
身に着ける場所がどこであろうと
絶対に信頼できる腕時計を開発すること。
ジンでは、理論レベルではなく、
実用レベルでの機能性を獲得しています。
だからこそ、ジンの時計はパイロット、ダイバー、
そしてGSG9(ドイツ連邦警察局特殊部隊)
などの特殊部隊にも愛用されているのです。
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