【ブライトリング・ストーリー】~プレミエ~
2019.07.07
スリーク新潟
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こんにちは。
スリークの飯田です。
今日で45歳になっちゃいました(*_*)
なんか、気持ちはいつまでも20代なんですけどね、、、、、
めっきり白髪が増えて
残酷なまでに止まることのない時間の流れを改めて実感しております、、、、、
さて、そんな【時間】を知らせてくれるのも
お気に入りの時計ならば、気分もテンションも上がるはず。
そんなわけで、本日は昨年末に発表されたばかりのブライトリングの新作【プレミエ】。
ジワジワと人気が高まってきているこのシリーズ。
この時計がいかにして誕生したのか?
今回はそんなプレミエにスポットを当てたいと思います。
70年代以降、とりわけ80年代以降のブライトリングはツール(道具)としての実用時計を作ってきました。
特にシュナイダー家に経営が渡ってから標榜としてきた『Instruments for Professional(プロの為の計器)』というブランドコンセプトはそれを強くアピールしていました。
これは1970年代にスイス時計業界を襲ったいわゆる【クォーツ・ショック】の影響によるものであると予想されます。
数多くのスイス時計メーカーが倒産をしていく中、自分達の得意な分野の強みを活かし、そしてコンセプトを明確化することによって生き残りをかけた戦略だったのです。
そして、ここ数十年、ブライトリングと言ったら『パイロット・ウオッチのパイオニア』、
翼と錨マークのロゴは『空だけでなく海をも制する実用時計メーカー』といった印象を強めてきました。
しかし、2018年末、ジョージ・カーンCEOによって新たに発表された『プレミエ』はツールとしての時計ではなく、現代的なエレガントさを持ったモダンクラシックな時計として誕生しました。
↑プレミエ(1945年)
なぜ、このような時計が登場したのか、その背景を知る為にもオリジナルのプレミエが誕生した時代を振り返ってみたいと思います。
初代のプレミエが誕生したのは1943年のこと。
初の回転計算尺を搭載した初代クロノマットが誕生した1年後のことです。
↑初代クロノマット 1942年
初代のクロノマットは世界初の回転計算尺を搭載したモデルでした。
これはエンジニアの1時間あたりの生産量を計算する為に時計に計算尺を搭載したことに端を発したものでありました。
つまり、ツールとしての実用時計だったのです。
時代は第二次世界大戦の最中。
第二次世界大戦は1939年ドイツのポーランド侵攻をきっかけとして勃発し、1945年までの6年間続きました。
軍需が高まり、ミリタリーウオッチや航空用クロックの製作に力を入れる必要性が出てきた時代。
現に1936年に英国航空省とコックピット・クロック供給の契約を交わし、
1938年には『ユイット・アビエーション』という部門を設立し、航空用8日巻きクロックの開発などを行ってきました。
↑1941年のユイットアビエーションの広告
そんな時期にどうして、プレミエのようなエレガントウオッチが誕生したのか?
実はこの時期のブライトリングはプレミエだけでなくドレッシーな婦人用時計を作ったり、
ゴールドケースを採用したりなどして、総合的な時計メーカーとして進んで行こうとしていた節が伺えます。
↑1942年の広告
なぜ、プレミエが誕生したのか、、、
自分自身をタイムスリップさせたようにこの時代のことに想いを巡らせてみてください・・・・
世界は戦争の渦に巻き込まれている。永世中立国のスイスといえども平々凡々と生活していたわけではない。
スイスを取り囲む隣国は全てドイツやイタリアなどの枢軸国の配下にありました。
とりわけドイツに対しては敏感だったそう。
ドイツがスイスに侵攻してくる恐れがありながらも一方で経済的な取引も多く行っていたような状況。
そもそもスイスは第二次世界大戦の開戦と同時に国際社会に対して『武装中立』を宣言しており、侵略者に対しては焦土作戦で臨むことを表明しています。
国民に対しては侵略者への降伏を禁ずる動員令を布告し、一時は85万人を軍に動員している。
このような戦況下において、ビジネスとしてどのような想いでプレミエを作ったのか・・
↑1940年代後半の広告
↑1946年の広告。こんなレディースウオッチも
第二次世界大戦後もツール時計だけでなく、エレガントな時計やレディースウオッチなども作っているところを見ると
先にも述べたように総合的な時計メーカーとなろうとしていたのだろうと思います。
しかし、である。
単なるビジネスとして、エレガントな分野にも進出したのだろうか?
個人的な私見を言うと
もはや、これは妄想であり、想像でしかないのですが
当時、ブライトリングはプレミエを出すことで、戦争で荒んだ人々の心を癒すような、安息感を与えてくれるような、そんな時計を目指したのではないだろうかと思うのです。
携帯電話もない時代、当時は時間を確認するのに今よりも腕時計が必需品だった時代だと思います。
時計を着け、時計を見て、楽しくワクワクする時計・・・・
↑1948年の広告
だから、40年代の広告は子供を使ったり、動物を使ったり、ユーモアあるものを作ってたんじゃないかな?って思ったり。
PREMIERとはフランス語で『ファースト』のこと。
英語だと『首相』などの意味合いもあるこの『PREMIER』というネーミングに込められた意味合いは
軍用などのツールウオッチとは違い、エレガントなものを目指したのが伺えます。
そして、このツールウオッチではないプレミエはデザインの自由度が高かったのも特徴でした。
ナビタイマーのようなツールウオッチは必然的にデザインが絞られてきます。
しかし、エレガントなプレミエにはデザインの自由度がありました。
当時のプレミエがタキメーターを備えたりしていたところかも
プレミエをラグジュアリーウオッチにしようとしていたわけではないのが伺えます。
ツールウオッチでもなく、ラグジュアリーウオッチでもない。
あくまでもエレガントな実用時計として位置付けたかったのだろうと考えられます。
そんなプレミエが現代によみがえり新たなシリーズとしてラインナップされたわけです。
CEOジョージ・カーンは『単なるデザインの復刻ではなく、現代的解釈によるモダンクラシックなエレガントウオッチを作ったのだ』と言う。
こうして、プレミエの出自を振り返ってみると40年代のデザインの復刻よりも、プレミエがかつて持っていたかつてのコンセプトの復刻が重要であり、
必然的にデザインがこのように現代的になったのにも納得がいくのです。
新生プレミエもまたブライトリングのアーカイブから紐解かれた紛れもないブライトリング・ウオッチなのです。
サイドに刻まれた線はスピード感を出しています。
このような意匠を取り入れることが出来るのもプレミエだからであるといえるのではないでしょうか。
今までの【Instruments for Professional】なツールウオッチブランドのブライトリングを知っている人には抵抗を感じる人もいるんじゃないでしょうか。
しかし、今までのブライトリングでは手に入れることが出来なかった方向性とデザインのエレガントウオッチです。
ブライトリングを複数所有している人にとってはコレクションの幅を広げるには非常に魅力的なシリーズであることは間違いないはず!
そして、今までブライトリングの時計に興味を持てなかった人の中にもプレミエには関心が惹きつけられる方もいると思います。
これからの展開が非常に楽しみなモデルです。
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おススメモデル
プレミエ B01 クロノグラフ 42 ベントレー
1,020,000円+税
今まで【BREITLING for BENTLEY】ネームでベントレーとコラボした時計を作っていましたが
今後は今までのような独立したシリーズとしてではなく、各モデルの中からベントレーモデルが出てくるとのこと。
第一弾はプレミエで登場したこのモデル。
ブリティッシュグリーンの文字盤が非常に美しいです。
ケースサイドにはベントレーの刻印が入ったプレートがあります。
裏蓋にはベントレーのロゴマーク。
最近ではグリーン文字盤が時計業界のトレンドにもなってきていますし、
時計好きの方にはおススメです。
プレミエ B01 クロノグラフ 42 ノートン
970,000円+税
こちらが英国のバイクメーカー、ノートンとのコラボモデルです。
ノートンのバイクかっこいいですよね!
ベントレーモデルと同様、サイドにはノートンのロゴ入りプレート
裏蓋にはノートンのロゴ。
このノートンモデルはインデックスもアラビア数字なので、レギュラーのプレミエとはまた違った印象が強くなりますよね。
個人的にはこのヴィンテージ感溢れるデザインは胸に刺さるデザインです。
ブライトリングフェア2019 特設サイト
⇒http://www.threec.jp/breitling-fair2019/
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