【ブライトリング・フェア直前】アベンジャーとは?!
2019.12.04
スリーク新潟
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こんにちは。
スリーク新潟の飯田です。
いよいよブライトリング フェアが迫ってきていますが何か新しいネタで記事を1つ書け!
とお叱りを受けたのでこうしてPCの前に立っています。
で、何を書こうか、、、、と考えるとやはりこのタイミングではアベンジャーを書かなくてはいけないのかな、、、と思っております。
この秋に新アベンジャーがローンチされましたし、そもそもアベンジャーとはどのようなモデルなのか?
掘り下げていかないと行けないと思っております。
では、そんなわけでお付き合いいただけたらと思います。
アベンジャーの誕生
初のアベンジャーが誕生したのは2000年。
近年までブライトリングのデザインの全てを一手に担っていた
あのエディ・ショッフェルさんが手掛けたデザイン。
数多くの時計ブランドのデザインを手がけてきた巨匠です。
TAGHeuerのS/elやリンクのあの特徴的なS字ブレスをデザインしたのもこの方。
ブライトリングとの関わり合いは90年代半ば以降。
当初は斜めに駒がカットされたパイロットブレスレットを手掛けていました。
今ではブライトリングを印象付ける大きな存在のブレスレットになりました。
そんなエディ・ショッフェルがブライトリングにおいて初めてモデルのデザインを全て手掛けたのがクロノアベンジャーでした。
クロノアベンジャーが出た当初、パッと見た目はクロノマットに似ている。
クロノアベンジャーとクロノマットの違いは何か?
そんな疑問が多く聞かれました。
まず、クロノマットと似ている点ですがエディ・ショッフェル曰く『クロノマットと違うモデル、しかし誰が見てもブライトリングと分かるデザインではなくてはならない』とのことでした。
確かに、新たにモデルをデザインするときにデザイナーが気をつけなければいけないのはそのモデルがそのブランドらしいモデルかどうか。
そのブランドのDNAを受け継いだモデルでないとブランドイメージ全体を歪曲させたり、壊したりしかねません。
その点、クロノアベンジャーは誰が見てもブライトリングらしいモデルでした。
ではクロノマットと何が違ったのか?
当時100M防水だったクロノマットに対して、クロノアベンジャーは300M防水
SSケースのクロノマットに対して、クロノアベンジャーはチタンケース
特徴的なリューズのデザイン
そんなところが挙げられますが、もっとも大きな違いは次の2つ。
■ライダータブ
■ラグ
この2つがクロノマットとアベンジャーを分ける大きな要素となっています。
ライダータブ
ラダータブはベゼルに付く爪の部分。
クロノマットのお話でも書きましたが、また軽くご紹介します。
クロノマットはこのライダータブがネジで取り外せるようになっています。
クロノマットがネジで外せるのは開発当初、イタリア空軍のパイロットの要望を受けて15と45を入れ替えて付けると積算ではなくカウントダウンとしてベゼルが使えるという用途でネジ止めになりました。
イタリア空軍のフレッチェトリコローリの公式時計として誕生したクロノマットとしてはこの取り外しができることが重要なのです。
しかし、アベンジャーのライダータブはベゼルと一体型の削り出しになっています。そこがクロノマットとの大きな違いの1つ。
見た目は似ていても、ライダータブに込められた思想が違います。
ラグ
⇑クロノマット
⇑クロノアベンジャー
ご覧いただいて分かるように初期のクロノマットはラグが短く、真っすぐ横に伸びているだけです。
一方アベンジャーのラグは長く腕に沿うように湾曲しています。
クロノマットにとって、この短く真っすぐなラグはアイデンティの1つだったのです。
何故ならばパイロットの袖に引っかからないようにあえて短くしてあり、
そしてGが掛かる曲技飛行においてあえてラグを真っすぐすることで、時計にある程度の動きを持たせるようにしたのです。
と、クロノマットとアベンジャーの大きな違いはこのライダータブとラグにあるのです。
アベンジャーとコルトの違い
さて、クロノマットとアベンジャーの違いをご説明しましたが
アベンジャーとコルトの違いは何だ?と思う方も多いかもしれません。
残念ながら先日コルトの生産終了が発表され、今までのコルトは新生アベンジャーシリーズに統合されていきます。
ですが、一応おさらいとして今までのアベンジャーとコルトの違いをご紹介。
左:コルト クロノ オートマチック
A181B83PCS
44㎜
200M防水
550,000円+税
右:アベンジャーⅡ
A339B32PSS
43㎜
300M防水
610,000円+税
搭載するムーブメントは同じ。
大きさやスペック(防水性など)もほぼ同じ。
価格も6万円の差ですがそこまで大した差でもなく。
この2モデルの違いは何なのか?
私が個人で感じる一番の違いは
コルトはタキメーター(平均速度を算出する目盛り)が付いており
アベンジャーは60の100分割目盛りが付いているということ!
つまり
どういうことかと言いますと
①コルト⇒空軍むけ
②アベンジャー⇒海軍むけ
ではないか?と思えてくるのです。
よくよく考えてみるとアベンジャーシリーズにはブライトリングで最も高い防水性のあるシーウルフもラインナップに入っています。
以前のアベンジャーのPVも海軍の映像でしたしね!
で、コルトはどうだったかな?と思ったらコルトのPVはエアレースでした(笑)
でも『コルト』というネーミング自体は元々ミリタリーウオッチに付けられたという出自があるし・・・
なんて考えたりしても、たぶんメーカー側はそこまで細かく設定はしていないんでしょうね。
だから、2019年秋に発表された新アベンジャーによって従来のアベンジャーとコルトが統合されました。
細部の違い
で、新作のアベンジャーをご紹介していく前に、せっかくなのでコルトとアベンジャーの細部の違いについてもご紹介。
たぶん、多くの人が感じたであろうコルトとアベンジャーの60,000円の価格差は何だ?!!
という疑問に迫りたいと思います。
まぁ価格設定に関しては私達が知らない色んな事情が絡んでくるとは思いますが
分かりやすい部分でご説明しますね。
①エンブレムの違い
素材が違えばそりゃあ値段もあがります。
クロノマットなども金のプレートになっています。
②ベゼルの違い
ライダータブと言われる爪。
クロノマットの場合はこれがベゼルに別のパーツとして付けられているのですが、
アベンジャーもコルトも削り出しで、ベゼルと一体化しています。
その上でアベンジャーのように爪が前に飛び出ている(と言えばいいのか?)ような作りだと
その分の加工の手間がかかります。
伝わりますか?
アベンジャーの方が爪が飛び出てます。
そして、アベンジャーはベゼルとガラスの間にフチ(ケース)が出ています。
③防水性の違い
まぁ、これはそれでの大差はそんなには無いと思うのですが
300M防水と200M防水の違いってことで価格差が多少でるのは仕方ないかな?と。
新アベンジャー
新作のアベンジャーシリーズはギュッと凝縮されて
7モデル14品番にまとめられました。
なかでもやはりアベンジャーと言ったら注目したいのはクロノグラフです。
旧モデルまでは48mmのスーパーアベンジャーと43mmのアベンジャーの2サイズ展開でしたが
今回から45mmが加わりました。
個人的には45㎜か43㎜が好きです。
この2つはどっちも良さがあって選びづらい。。。。
■左:アベンジャー クロノグラフ43
A343B-1PSS
43㎜
300M防水
608,000円+税
■右:アベンジャー クロノグラフ45
A345B-1PSS
45㎜
300M防水
624,000円+税
どっちが良いか悩みどころなのは
43㎜の方が良い点は同じムーブメントならサイズが小さい方がリューズ操作などの時に中のムーブメントにかかる負担が少ない点や
着け心地の観点からも小さい方が着けやすいからという点があります。
一方で45㎜の方は12時、3時、6時、9時位置の夜光塗料が発布されている点(43㎜は発布されていない)。
また、43㎜は『SWISS MADE』の文字が邪魔をして28分、29分、31分、32分の目盛りが読み取り辛いですが45㎜の方は読みとれます。
↑こんな感じです。
まぁそこまで細かく気にする人は少ないのでしょうが、、、、
多分、海外では45㎜、日本やアジアでは43㎜の方が人気が出るような気がします。
新旧比較
では次に新旧のアベンジャー比較です。
両者とも43㎜モデルでの比較を。
左が従来モデル、右が新型モデルです。
基本スペックは変更がなく、デザイン的な面でもパッと見た目はほぼ変わっていないように感じます。
しかし、画像だと分かりづらいですが一番大きな違いは従来がポリッシュ(艶有り)仕上げ、に対して
新型はサテン(艶消し)仕上げになっている点です。
また、30分計と12時間計の上下のインダイヤルの大きさが若干大きくなってバランスが変わっています。
そのおかげで若干締まった印象になります。
その他にも微妙な変更点があるのでご紹介していきます。
以前、12時方向の夜光が若干大きくなったように感じたブログで書いたのですが
実物を比較すると同じようにも思うし、でも本当に数ミクロンだけ大きなったような気もするし、、、、
という印象。
ただ、大きく変わったのはベゼルに5分毎にステンシル書体のアラビア数字が刻まれていましたが、今回からバーになりました。
アラビア数字は15分、30分、45分のライダータブ部分のみとなっています。
これにより今までは9分、11分などの部分に線がなかったのですが今回からはキッチリ入っています。
とは言え、ステンシル書体のアラビア数字がミリタリー感をUPさせてくれているアベンジャーとしてはアラビア数字が少なくなったのがもったいなくもあります。
あとはインダイヤルの数字の表記が変わりました。
従来はより多くの数字を記載していましたが、今回はスッキリと伝統的な表記になりました。
秒針の60、20、40
クロノグラフ30分計の30、10、20
クロノグラフ12時間計の12、3、6、9
これらの表記は伝統的な表記の仕方なのです。ヴィンテージの時計とか見ていただくと分かると思います。
あとはインダイヤルの針はサテン仕上げになっています。
左:旧型
右:新型
そして、正面からの画像だとわかりづらいですがケースの形状も変わりました。
ラグのあたりが違ってますよね。
新型の方が若干丸みのある印象になっています。
こちらが旧型。
それこそ2000年に発売された初代クロノ アベンジャーの形状に近いまま継承されてきています。
こちらは新型。
ラグの先にかけてシェイプされています。
またブレスレットのケース接地部分の作りの違いにより従来より可動域が少し狭くなっています。
で、結局のところ・・・・
話があっちこっちに行ってしまいましたが最後にまとめていきます。
クロノマットとアベンジャーについて
もともとのコンセプトが違ったのでライダータブやラグの違いはありますが、じゃあクロノマットの方が優れているのか?と言ったら一概にはそうとも言えません。ライダータブなんて実際外して入れ替える人は少ないと思いますし、道具として考えたら部品数が少ない方がメンテナンス性も考慮すると『実用的』と言えると思います。
そういった点ではアベンジャーは実用を重視したモデルだと言えます。
またコルトと比較した際にはコルトは空軍、アベンジャーは海軍という仮説を立てましたが
現在のブライトリングはラインナップを『陸・海・空』のどれかにカテゴライズしています。
そしてアベンジャーは『空』にカテゴライズされています。
それにスイスのアクロバット飛行チーム『パトレーユドスイス』の限定モデルがアベンジャーから発表されています。
クロノマットが本来持っていたポジションを引き継ごうとしているのかも知れません。
あとは従来のモデルと新作モデル、どっちが良いの?と言ったらこれはもう好みしかありません。
従来のモデルはアベンジャーを生み出したエディ・ショッフェルさんの手掛けた最後のアベンジャーとして考えると魅力はあります。
ポリッシュ仕上げなのも艶っぽさがあって色気があります。もう今後は手に入らないというのも魅力かも。
一方で新型のアベンジャーはケースがサテン仕上げになっていてよりマッシブなイメージ。
しかもインダイヤルの針も含めて全ての針をサテンにしているので視認性も格段に向上しています。
実用性をより優先するなら新型の方が魅力かもです。
と、言うわけでどっちが良いかの判断は各々の判断次第ではないか?!というのが結論でございます。
私も日々どっちが自分好みか悶々としながら眺めております。
ぜひ皆さんもこの機会に比較しにご覧になりにきてみてください。
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