PANERAI(パネライ)の歴史について、もう一度振り返ってみました -スリーク新潟 瀬倉編 –
2021.10.27
スリーク新潟
スリークブログのご覧の皆様、こんにちは。そしてお久しぶりです、瀬倉です。
コロナワクチン2回目の接種を受けまして、若干微熱のなか、執筆しております。。
少し思いふけってみます。
これまで約2年、新潟市万代ビルボードプレイス内2F スリークBP にて勤務させていただきました。その前までは、某人気ショップ、S◯PH.でお客様や共に働くスタッフ、お取引様、各地にございます S●PH.ショップ の皆様のおかげで、私自身も成長させていただきました。
感謝でございます。
年齢関係なく新たなステージへと飛び込みましたこの時計業界!スリークBPで過ごす日々は毎日が刺激的で、この年でもまだまだ学ぶ事がとても多く、本当にこの環境下で居れる事へも感謝でございます。ありがとうございます。
古町6番町 スリーク新潟 へ遊びにきてくださるお客様には、本当に感謝&嬉しいですね!スリークには、生活をより豊かにしてくれる素晴らしい商品(メガネ、バック、筆記用具、時計)が沢山ありますので、お伝えできるよう日々精進して参ります!押忍。
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今回は、現在私が担当しております PANERAI について、歴史を振り返ってみたいと思います。
1860年 オフィチーネ パネライ初の店舗がオープン
1860年、ジョバンニ・パネライが、フィレンツェのグラツィエ橋 に時計店を創立。このお店は、時計の販売店および工房としてだけでなく、フィレンツェ初の時計製造学校としての役割も担っていました。
1920年代、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の前にあるアルチヴェスコヴィレ宮に店舗を構え、「OROLOGERIA SVIZZERA(オロロジェリア・スヴィッツェラ)」という屋号を掲げ運営をしていきました。
1916年 オフィチーネ パネライがラジオミールの特許を申請
グイド・パネライ(3代目)は、長年に渡って、イタリア海軍に海戦用照準器などの精密機器を納品していました。軍事的な要件に応えるため、パネライは海軍少佐カルロ・ロンコーニの協力を得て、ラジウムを使用した粉末を開発し、計器や照準器のダイヤルに塗布して視認性を高めました。
こうして、ラジオミールが誕生しました。
1936年 「ラジオミール」の最初の試作品
(左)プロトタイプ カルフォルニアダイヤル (右)試作品を経て現在にも続くラジオミールが完成
イタリア海軍が求める基準を満たすため、高い強度を持つ潜水用時計がいくつもテストされました。
1936年、ジュゼッペ・パネライ が適切に製造された数点の試作品を作動させ、技術的なテストを実施したと記録されています。最高の結果を出したのは、ロレックス・ジュネーブが提供した製品に、パネライが修正を加えたRef. 2533でした。
1940年代 パネライとイタリア海軍 – ラジオミール(REF. 3646)の誕生
パネライはイタリア海軍の納品業者に任命されました。当時から大きく直径47mmスティール製クッション型ケース、ラジウム夜光数字とインデックス、ケースにはんだ付けされたラグ、高品質の手巻きメカニカルムーブメント、なめし加工を施した耐水レザーストラップ(潜水服の上から着用できる長さ)は、現在のラジオミールにも受け継がれています。
ジュゼッペ・パネライは、時計の機能を改善するために文字盤の構造を修正し、2つの層が重なり合うようにしました。上層に陽極酸化処理アルミニウムを用いてインデックスと数字を型抜きし、ラジウム塗料がより明るくはっきりと見えるようにしました。文字盤の視認性を高めるためにレイアウトも変更され、アラビア数字は4つの要所のみで、アワーマーカーとして8つのインデックスが配置されました。
こうして、サンドイッチ文字盤が誕生しました。
1949年 パネライが「ルミノール」という名称の特許を取得
1949年、パネライが「ルミノール」という名称を使用するための特許を取得しました。この頃、原子力技術が著しく進化したことによって新たな事実が判明し、ジュゼッペ・パネライは、放射性物質を含む素材の取扱いには注意が必要であることに気付きました。そこで彼は、発光物質にはより中立的で自然な名前が必要であると考え、徐々に「ルミノール」という名称を使うようになりました。
ここから10年以上経って、トリチウム(水素アイソトープ)を原料とする新しい発光物質が使われるようになり、放射性物質が非常に少なく、無害であると認知されるようになりました。
1950年代 クロノグラフ「マーレノストゥルム」の試作品
パネライはこの頃、1940年代にすでに構想があったと思われる、とあるプロジェクトの計画を立ち上げました。甲板将校のための特別モデルとして、2つのカウンターを持つクロノグラフ「マーレノストゥルム」を設計するというものです。しかしこれらのモデルは、おそらく1950年代に、わずか2~3本が製造されただけでした。
現在に繋がる積算計のデザインは、ここからインスパイアされていると言われております。
1954年 パネライとイタリア海軍
第二次世界大戦後、イタリア海軍からさらに明確な要件が出されるようになりました。軍事用時計として、過酷な状況で水中に長時間滞在できることが求められたのです。ケースは一塊の金属から成型され、ハンドルが取り付けられていました。形状はクッション型のままですが、側面のエッジがより強調されるように。ラグをケースと同じ一塊の金属ブロックから製造したため、強度が向上しました。
円錐状のリュウズに変わり、チューブ状の円筒型ねじ込み式リュウズが採用されました。
こうして、「ラジオミール 1940」の原型が完成しました。
1956年 「エジプシャン」モデルを開発、リュウズプロテクターの特許を取得
パネライはこの頃、ダイバーウォッチを開発しました。これはイタリア海軍の承認を得てエジプト海軍に供給されたため、後に「エジプシャン」として広く知られるようになりました。パネライの特徴であります、サンドイッチ文字盤と8日間パワーリザーブは継承しつつ、新たにリューズプロテクターの国際特許を取得しました。そして、パネライとして潜水時間を測定できる回転式ベゼルを装備したのも、この頃が初めてと言われております。
写真では、この頃はまたラジウムを使った夜光塗料を採用していたので、名称ラジオミール になっているのが分かります。このエジプシャンは、当時フィレンツェの熟達した時計職人によって全体の組み立てをされたとのことですが、わずか60本あまりが製造されたのみでした。
直径60mmという圧倒的ケースサイズ、軍事使用に耐える堅牢性と優れた防水性、潜水時間を計る回転式ベゼル、スイス・アンジェリュス製ムーブメントによる8日間パワーリザーブ、そしてパネライの最大の特徴として今も尚継承しているリューズガードが初めて採用されたのも、このエジプシャンでした。
1960年代 – パネライのタイムピース「ルミノール」の進化
1960年代にも進化を続けました。二重構造の文字盤を組み立てる工程で、ラジウムを原料とする塗料の使用が廃止され、「ラジオミール」という名称も使われなくなりました。その代わりに夜光塗料として採用されたのが、放射性物質の含有量が少ないトリチウムを原料とする新素材「ルミノール」です。
ミドルケースにはリュウズプロテクターが取り付けられ、およそ80本に、アンジェリュス製機械式ムーブメントが初めて組み込まれました。スイスで製造されたこのムーブメントは、8日間のパワーリザーブを提供します。このような背景から、フィレンツェで生まれたパネライのDNAには、パワーリザーブが不可欠な要素となりました。
また、一部のモデルでは、重厚な密閉式裏蓋の代わりに、内部機構が見えるよう中央に透明なプレキシガラスを使用した裏蓋が採用されました。つまり、シースルー裏蓋を持つタイムピースの製造に関し、パネライは先駆的な存在であったと言われています。
1972年 – G. パネライ&フィグリオ社にとっての変化の年
1972年、ジュゼッペ・パネライが他界しました。家族事業、そしてイタリア海軍とのすべての独占供給契約の管理は、エンジニアであり、かつてイタリア海軍士官も務めたディノ・ゼイに引き継がれました。
この頃、社名が「G. パネライ&フィグリオ(G. Panerai & Figlio)」から「オフィチーネ パネライ(Officine Panerai S.r.l.)」 に変更され、すでに多数の製品や腕時計に表示されていた「オフィチーネ パネライ(OFFICINE PANERAI)」が正式なブランド名となりました。
1985年 「ミッレメトリ(MILLEMETERS)」モデルの試作品
さらに技術は進化し、新しいダイバーズウォッチの製作に取り掛かります。このモデルは、イタリア海軍が使用する機器の選定に用いられる厳しいテストを受けることになりました。
直径47mm チタン製タイムピースで、特徴的なレバー式リュウズプロテクターと回転式ベゼルを装備していました。テストにより、パネライによるこの特別な時計は100気圧を超える水圧にも容易に耐えることがわかり、そこから「ミッレメトリ(Millemetri)」という名前がつきました。
1993年 プレ・ヴァンドーム:オフィチーネ パネライ初のコレクション
オフィチーネ パネライは一般向け腕時計市場への参入を決定し、3つのコレクションを発表します。
直径44mmの「ルミノール」と「ルミノール マリーナ」、そして直径42mmの「マーレノストゥルム」クロノグラフから、シリアルナンバー入りの限定モデルが合計10種類登場しました。これらは、イタリア海軍特殊潜水部隊のために開発された歴史的なモデルからインスピレーションを得たものです。
この年、これらの製品に関する軍事機密指定が解除されたため、パネライのCEOであったディノ・ゼイが公開に踏み切ったのでした。パネライ初のコレクションは瞬く間に、コレクターと時計愛好家の間で極めて高い人気を博しました。
1997年 オフィチーネ パネライの「プレ・ヴァンドーム」コレクションが、高級時計市場で大きな評価を獲得
1997年の春、オフィチーネ パネライ S.r.l.はリシュモングループ(当時のヴァンドームグループ)の傘下に入り、すぐにイタリア国内で流通網を構築しました。
1998年4月、パネライはSIHH(Salon de la Haute Horlogerie of Geneva)に参加し、国際的な高級時計市場にデビューしました。この時のコレクションは、直径44mmの「ルミノール」と「ルミノール マリーナ」が3種類、そして細くなったベゼルとねじ込み式裏蓋を持つ、直径42mmの「マーレノストゥルム」クロノグラフで構成されていました。
この瞬間から、パネライは高級スポーツウォッチの分野で国際的な名声を獲得し、大型の腕時計というトレンドを世界中に広めたと言われています。
2001年 オフィチーネ パネライ:起源への回帰
フィレンツェのサン・ジョヴァンニ広場にあったパネライ一族所有のブティックをオフィチーネ パネライが獲得し、改装を施しました。ここに、パネライの歴史的なブティックが再びオープンしたのです。この時計工房は、パネライのコレクターと愛好家たちが集まる場所であり、現行コレクションのタイムピースが並ぶだけでなく、パネライ ブティックだけで販売される特別限定モデルや製品も見ることができます。(観に行ってみたい!!)
2002年 ヌーシャテルにパネライ マニュファクチュールを開設
2002年、スイスのヌーシャテルにパネライのマニュファクチュールがオープンしました。スイスが誇る高度な時計製造技術と、卓越したデザインおよびノウハウが一つに統合されたこの地で、自社製ムーブメントをはじめとする革新的な進化をさらに進めていくことになります。(スイスにも行ってみたいな…)
・・・そして2005年、マニファクチュールムーブメントの物語が始まります。。。
パネライは、歴史的観点から見ても、軍用として進化し続けてきた時計です。2021年の現在でも、当時の佇まいを大切にしつつ今も尚進化が止まらないブランドは、なかなか他にないのではと思います。
ルネサンス時代を経て華やかで花の都とされるフィレンツェ。
そこで生まれた、天文学、アート、ファッション、、、など今の私たちにも繋がっています。先人を尊い、現在から未来に続くパネライの物語は、流行に左右されることなく今後も進化し続けていくことでしょう。。。
パネライを付けて、一度はフィレンツェへ訪れてみたい瀬倉でした。
おしまい
「 時計入荷情報 」
【 PANERAI(パネライ )】サブマーシブル – 42mm PAM00973 入荷。はコチラ
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【 PANERAI 】ルミノール マリーナ カーボテック™️ 44mm と ルミノール ルナロッサ GMT 44mm を検証。はコチラ
「 PANERAI WEB Magazine 」
PANERAI avvelenamento Vol.1 ~パネライの歴史①~
PANERAI avvelenamento Vol.2 ~パネライの歴史②~
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