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My watch My story~飯田編

2020.04.19

スリーク新潟

 

cb

 

 

こんにちは。

スリーク新潟の飯田です。

 

不要不急の外出が自粛される中、家に閉じこもって大人しくしている方も多いのではないでしょうか。

私もなるべく外出は避けてじっとしているように心がけています。

 

こんな時だからこそ新しいモノに目を向けるだけではなく、今一度手元にある愛用の時計について目を向けてみるのもどうかと思います。

 

今回ご紹介する私の時計はコチラ

クロノマット・エボリューション・フレッチェ・トリコローリ限定

 

色々と時計を所有してきた中で、この時計は非常に思い入れの強いモデルです。

2002年、私は初めてスイスに行きました。ブライトリングのメーカー主催による工場見学などのツアーでした。

時計の販売に携わって4年。少し自分の中で時計に対しての魅力がマンネリ化していた頃でした。

しかし、ブライトリングの本社や工場などを視察し、作り手の情熱とプロ意識に触れ、その気持ちは一変しました。

そのツアーで私は幸運にも当時の製品開発の責任者である副社長のジャンポール・ジラルダン氏と長時間に渡っての対談をさせてもらえました。

対談と言っても単に一ファンとして私が個人的に気になっている疑問点や製品に対しての希望を言わせてもらっていただけなのですが、、、

そこでの会話の一部に下記の内容がありました。

◆クロノマットはなぜ100m防水なのか?他のブランドではクロノグラフでも300m防水のものがある。せめて200m防水にできないのか?

◆クロノマットはもっと大きくできないのか?(当時クロスウインドウというモデルが44mmで人気があった)

 

この頃の私は防水性が重要だったんですよね。時計が好きだし、大切だから、『いつでも、どんな環境でも身に着けていられる時計』というのが理想で、そうなると風呂でも海でも身に着けていられる防水性が欲しいと思うようになったんです。

ま、実際には着けて水の中には入らないんですけどね。それでも、いざって時はいけちゃうぜっていうスペックが欲しかったんです。

 

そして、私がジャンポールに提言した2年後、2004年に20周年を機にクロノマットがモデルチェンジしたのです。

なんとサイズは44mm、防水性も300m防水になったのです。

真偽のほどは定かではないですが、私がスイスで訴えた希望が受け入れられて実現したのだと勝手に思いました。

そして記念モデルとして限定のこのフレッチェが登場。

 

当時グラハムを購入したばかりでしたが、このモデルを見た瞬間心が奪われました。

しかし、限定モデル。店員が買えるわけがありません、、、

発売からしばらくして、ブライトリングの営業担当から提案があったのです。

私が購入するならもう1本何とかする、と。

各店舗の配分もあるので、私が購入しないのなら用意はできない、と。

悩みましたが、私自身も30歳という節目であり購入の決断をしました。

届いた時計を見て、限定品のシリアルが700/1000でした。

私の誕生日が7月7日生まれで自分のラッキーナンバーを担当者がサプライズで用意してくれたのです。

サプライズと言っても世界限定なので、このようなキリの良い番号が日本に来るかもわからないのに巡り合ったんです。

運命を感じちゃいました。

しかし、この時計にも気になる点がありました。

それは1984年に誕生したクロノマットの製品哲学(詳しくは以前の記事を参照ください)が継承されていない部分があるところでした。

◆ラグが長く、腕に沿うような形状

◆ライダータブよりも風防の方が出ている

 

この納得できない点について、2005年に再度スイスに訪れた際にジャンポール・ジラルダン氏に投げかけました。

氏の答えは以下のとおり。

◆サイズが大きくなったこのモデルに関して言えばラグの形状はこの方が人間工学的に一番適しているのだ

◆ガラスの強度は1984年の開発よりも高くなっている。しかもガラスへの衝撃は平面でぶつかってくるものだけでないから、いくらラグがガラスより高くなっていてもぶつかる時はぶつかる。だったら今回はそこに拘るのではなく、クロノマットの全体的な曲線美としての美しさを追求した。

 

この答えを聞いて、納得。

また、私がこの時計を気に入っている部分は他にもあります。

その1つが文字盤の1分、2分・・・のメモリの線が先っぽにかけて細くなっているところ。

まるで文字盤に溶け込んでいくかのようにシュッと細くなっているんです。

またインデックスのアラビア数字の書体のデザイン、そしてこのインデックスが植字ではなく、エンボス加工というのも好みなんです(植字だと衝撃で外れることがある)。

そして、『針』のデザイン。これがなかなか拘りがあって好きです。

◆短針、長針のデザインが暗闇でも読み間違えがないデザイン。短針の夜光が2つに分かれている。

◆インダイヤルの針。これも読み取り間違えが無いように秒針とクロノグラフ系の針のデザインが変えてある。

 

これらのデザイン違いの要素はアンティークのミリタリーウオッチなどを見ていただけるとわかると思うのですが実用性だけを考えて作られていた当時は当然の仕様だったんです。しかし、昨今の高級化や量産化を意識した時計作りではあまり重要視されなくなった部分でもあります。

しかし、このクロノマット・エボリューションはそのような忘れかけられている部分を大事にしてデザインされているのです。

さらにこれは機能的には意味を持たないのですが、エボリューションは全体的な統一感や曲線美を強く意識してデザインされています。

私個人の好みとしては時計のデザインは正面からの見た目も重要なのですが、腕に着けて斜めの角度から見た時のデザインも重要なんです(なぜなら、そのような角度で時計が視界に入ってくることが多いから)。

そのような私の拘りから言うと、このエボリューションは斜めの角度から見た時のディテールも非常に美しい。

さらに言うならばケースのサイズの影響もあり、視界に入る時計本体とブレスの面積バランスも非常に好みなんですよね。。。

 

人生の中で6本目の機械式時計だったのですが、一番着用率が高いモデル。

自分にとって大切な場面ではこの時計を着けていることが多く、そのような点でも思い入れの深いモデルなんです。

 

ちなみに他のブランドやモデルも好きな時計は色々とあるのですが、個人的にクロノマットというモデルに感じている縁というのがあるんです。

1.一番最初に買った機械式時計がクロノマットだった

2.クロノマット誕生が1984年⇒自分の生まれ年が1974年なので10歳違い=キリがいいので何となく縁がある

3.ブライトリング初の自社製のムーブメント『キャリバー01』が搭載されたのがクロノマット。そして世界同時発売が2009年5月29日⇒私の初購入のクロノマットが1998年5月29日。同じ日付。

 

 

あとは人生初の機械式時計がブライトリングだったこともあってブランド自体にもちょっと縁を感じるんですよね。

4.ブライトリングの創業が1884年⇒自分の生まれ年が1974年で90歳違い=これもまたキリが良いので何となく縁を感じる。

5.1979年4月5日アーネスト・シュナイダーがブライトリング買収の契約を締結。同年ウィリー・ブライトリング死去。⇒4月5日は私の父の誕生日

6.1982年11月30日アーネスト・シュナイダーの時計会社『シクラ』を発展解消させる形で『ブライトリング時計会社』を設立⇒11月30日は私の母の誕生日

7.ブライトリング4代目社長セオドア・シュナイダーの誕生日が7月7日⇒私の誕生日が7月7日

 

ご存知の通り、ブライトリングは

レオン・ブライトリング

ガストン・ブライトリング

ウィリー・ブライトリング

と三代に渡って続いていたのですが、後継者のいなかったウィリーが何度もコミニュケーションをとり、自分の後継者に選んだのがアーネスト・シュナイダーでした。

この経営譲渡のターニングポイントとなる日がそれぞれ私の父と母の誕生日というのにはちょっとビックリしちゃいましたね。

そのアーネストがクォーツショック後のブライトリングを一気に引き上げ、今日の人気ブランドまで育て上げたのがアーネストの息子セオドア・シュナイダーです。私がブライトリングを初めて知って、所有した時には社長はセオドアでしたし、そんな彼と同じ誕生日というのも縁を感じたのです。

 

そんな感じで、この時計は自分にとってもちょっと特別な存在。

まぁ、でも持っている時計それぞれに想い入れがあるので優劣はつけられないんですけどね。

こうして好きな時計のことを書いているとつくづく時計の価値は値段やスペックやクオリティじゃないよなぁ、、、と思うんですよね。

結局のところ持ち主の想い入れこそがその時計の価値を形作っているんだと思います。

その価値に対して他者がとやかく言う資格はなく、その人それぞれの価値がどれも正解なんですよね。

皆さんもこんな時だからこそ、心穏やかにお持ちの時計をじっくり愛でてあげるのも良いと思います☆

 

*****My watch My story*****

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