【Grand Seiko 特集】3つのムーブメント編 Vol.2 9Rスプリングドライブ
2024.03.16
スリーク新潟、スリーク富士見、スリークEXPOCITY、スリークWEB STORE
開催店舗:スリーク新潟 スリーク富士見 スリークEXPOCITY
期間:2024年3月2日(土)~4月7日(日)
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Grand Seiko 特集
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皆さまこんにちは!
スリーク富士見、曽我と申します!
昨日に引き続きムーブメント特集第2弾です!
Vol.2はスプリングドライブムーブメント【9R】について。
最近ですとだいぶ知名度が上がってきたことにより、グランドセイコーについてそんなにお詳しくない方でも「スプリングドライブ」の名前を耳にしたことのある方は増えた印象ですね~☝
「機械式とクォーツ式の良いとこ取りしたハイブリッド」なんてざっくりとした説明をする事もありますが、個人的にはとてもしっくりとくる表現でおおよそこの説明で合っていると思っています。
ただ、「機械式かクォーツ式のどちらよりかって言ったらどっちなの?」とか「電子部品を使っているってことは電池交換とか必要なの?」といったよく考えると浮かび上がってくる疑問などもあるかと思いますので、この場をお借りしてご説明させて頂きます☝
スプリングドライブの機構を説明する際に大きなポイントは2つ!
①機械的な力
②電気信号・磁力
(※正確には②の部分を2つに分けて3つのポイントなのですが、分かりやすくまとめてみました)
ではさっそく一つめ、
①機械的な力
先ほど「機械式かクォーツ式のどちらよりかって言ったらどっちなの?」といった記述をしましたが、この質問の答えは「ほぼ機械式」となります。
あくまで時間のタイミングを調整する部分に電子部品が使用されているのであって、動力源は通常の機械式時計と同様にぜんまいがほどける力なんです。
通常の機械式時計はこのぜんまいがほどける際に、一気にほどけないように脱進機と呼ばれる部品で制御して時間の精度を調整しています。
スプリングドライブはこのぜんまいのほどける力を脱進機ではなく「トライシンクロレギュレーター」という磁力を使用する機構の充電に充てているんです(これについては後述で詳しく説明しますね)
発電のイメージとしては自転車の前輪の横に着いているライトに置き換えて頂くと分かりやすいかと思います。
①自転車の車輪が回る=時計のぜんまいがほどける
②ライトが付く=トライシンクロレギュレーターの動力源となる
メカニズムとしては機械式と大きな差はほとんど無く、止まっていたら自分で巻き上げて動かし始めますしパワーリザーブを超える時間を駆動したら自然と止まる点は機械式と同じですよね☝
②電気信号・磁力
ぜんまいがほどけた力は先述した「トライシンクロレギュレーター」という機構の動力源となります。
この機構は、ぜんまいのほどける力が、ローターとコイルが巻かれた「ステーター」に伝わることで発生するわずかな電気エネルギーを利用して、水晶振動子とIC(集積回路)を動かします。
水晶振動子に電力が伝わることによりクォーツ並みに正確な信号をICに伝えます。
ICは、水晶振動子からの正確な信号とローターの回転速度を比較し、ローターが速くなり過ぎないよう断続的に磁力のブレーキをかけて、一定の速度に保ちます。
ここがスプリングドライブの通常の機械式とは精度が大きく異なる最大のポイントです。
通常の機械式はこの部分も完全アナログ制御なので、部品の仕上がりやクオリティによって大きく精度に差が出る訳ですね。
【月差±10~15秒】という機械式には到底実現不可能なクォーツ並の精度を実現している仕組みはこういう事だったんですね。
精度だけ聞くと「ほぼクォーツみたいなものでなんでしょ?」という感想を持つ方もいそうですが、仕組みを理解して頂くとほぼ機械式と変わらない内部構造でこの精度を実現していることの凄さが伝わりますでしょうか。。。
なにより着想から20年以上かけて開発され、そこから更に5年かけて実装できるレベルまでブラッシュアップさせて市場にリリースしたセイコーさんの圧倒的な技術と努力と執念は感服モノです。
基本的にはパワーリザーブメーターが着いているモデルが多く、一目で残量が把握できます。
モデルによりパワーリザーブは異なりますが少なくても72時間、中には120時間や192時間なんてのもあります。基本ロングパワーリザーブなのは使用するうえでも嬉しいポイントですよね。
また、メンテナンス周期も通常の機械式時計のオーバーホールと変わらない感覚で大丈夫です👌
「機械式の方が一生使えそうだし、機械式のほうがいいのかな・・・。」
なんとなくこんなイメージ持たれている方も多いかと思いますが、スプリングドライブが今年で誕生して20年。きっとこれからもまだまだ続いていくムーブメントになることでしょう。
機械式もきっと昔は同じようなイメージだったのかな、と思います。
いつまで使えるか分からないけど使い続けて気付いたら人生のほとんどを使えていた、と。
先述しましたが内部構造はほとんど機械式と変わらないので、理論的には機械式同様ずっとメンテナンスし続けていく事が可能ですし、電子部品も交換が可能です。
私がおじいちゃんになる頃なんかにはこういった機構を他ブランドも開発したり搭載したりしていてスタンダードな機構になっていたりするんですかね~
どんどん進化していく技術の先駆けとして、これからの更なる進化からも目が離せませんねぇ。。。
長くなっちゃいましたね、今日はここまで!
明日はラストVol.3「9F クォーツ」編です!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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