ブライトリングの技術力◆ムーブメント◆
2019.07.01
スリーク新潟、スリークBP
本日はBREITLINGのムーブメントについて少し書いてみたいと思います。
まずは自社ムーブメント、「キャリバー01」について、、、
5年の歳月をかけて開発され、
2009年に満を持して発表されたキャリバー01。
昨今、色んな時計ブランドが自社ムーブメントを発表し
それぞれのブランドが特徴あるムーブメントを作っています。
そんな中で、ブライトリングのキャリバー01の特徴と言ったら,,,
70時間以上のパワーリザーブ
コラムホイール
これらの部分がわかりやすくて、知っている方もいると思います。
しかし、今回注目するのは以下の特徴です。
これはですね、簡単に言うと技術者の腕は関係なく誰でも
簡単に調整できるということ。
技術者の技量で左右されない調整機構なんです。特許を取得してます。
こちらは、有名かもしれませんが
基本的には時計のカレンダーは20時~3時くらいの間は早送りできません!
しちゃうと簡単に壊れてしまうのです。
しかし、キャリバー01は壊れないのです。
こちらはですね、
リューズを引き出して時刻合わせをしようとすると秒針が止まりますよね。(ハック機能)
で、時刻を合わせてリューズを元に戻すと動きだすのですが
稀にテンプがすぐには動き出さないことがあります。
これはリューズを引き出した時にテンワにストッパーが触れてストップさせるのですが
リューズを戻してストッパーを外した時にテンワが動き出さない時があります。
ゼンマイの巻き上げが少なかったなど、低トルクの状態ですと
最初にテンワが動きだす勢いが付かないんです。
一度動き出せば慣性の法則で動くので低トルクでも動き続けるのですが
最初のきっかけは必要です。
キャリバー01の場合ですと、ストッパーが外れる時にテンワを蹴るようにしながら外れるので低トルクでもテンワが動きだすのです。
マニアックな作りなんですが、このようなシステムを導入しているブランドは、
実は他にないんです。
つまり、ブライトリングのキャリバー01の素晴らしさは何か?と問われたら、
『購入者のアフターの面を重視して作られたムーブメント』
だと思います。
ムーブメントの設計の段階から修理技術者も交えて意見交換しただけあります。
故障しにくいムーブメント、
故障しても直しやすいムーブメント
と言ったところでしょうか。
構造がユニット式になっていてネジを8本外すだけで最深部までアプローチできるところも
技術者的には魅力があるところだと思います。
うーん
ちょっと例えは違いますが
美味しい料理って色々あるじゃないですが
で、どっちが美味しい?って比較すると明らかにどっちが美味しいって選べるものもあれば
甲乙つけがたく、比較しようがない料理もあると思います。
時計のムーブメントの世界も一緒なんですよね。
どっちの機械が優れている?というのは料理の『美味しい』と一緒で比較しきれない部分もあります。
ただ、キャリバー01の面白いところは
間違いなく『美味しい料理』なのですが、『健康にも良い料理』と言った感じです。
キャリバー01搭載モデルとしては
やはり、代表的なのはこのクロノマット44ですね。
2009年に完成した01を最初に搭載したモデルです。
記念すべき初号機。
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そして、もうひとつ。
ブライトリングのムーブメントに欠かせないモノ。
「キャリバー13(ブライトリング13)」
こちらのムーブメントは、非常に多くのメーカーが使用しており実績もある信頼性の高いムーブメントETA7750を
ブライトリングが独自にチューンアップして出来上がっています。
そもそものベースとなったETA7750はメリットとデメリットがありました。
メリット
テンワが大きいため精度が出しやすい。
デメリット
クロノグラフ作動時にテンプの振り角が大きく落ち込む点と姿勢差誤差が過大な点です。
これに対し、ブライトリングは振り角を上げることでメリットを強調し、デメリットを小さくしようとしました。
まずはトルクのばらつきが大きいニバフレックスのゼンマイを全数検査し、高トルクを安定して
得られるようになりました。また、脱進機を高品質なクロノメーター級のグレードに交換、爪石の位置を
厳密にすることで平均300度以上という高い振り角を得ました。
反面、振り角が高すぎる為にしばしばテンプの振り当り(結果、時間がより進みがちになる)が見られました。
「キャリバー01」
と
「キャリバー13」
代表する2つのムーブメント。
比較してみると、、、
全く正反対の性格を持つ。
現時点で短期的な精度ではまだ「キャリバー13」に軍配が上がるのでは!?
しかし、長期的な等時性では「キャリバー01」が優れていると言えます。
それぞれ機械式時計には欠かせない重要なメンテナンス!
オーバーホールのタイミングから見てもそれがイメージしやすいですね!
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最後に!
ブライトリングムーブメントの始まり、、、、
ブライトリングの製品哲学
↓
『計器を進化させるためにある。』
~過酷な使用環境に耐える、強靭さのため。
100%クロノメーターという、クオリティーへの挑戦。~
◆複雑時計の町、ラショー・ド・フォン◆
スイスのジュラ山脈にある町。
クロノグラフなど、複雑な機械時計を製作することができる熟練した技術者が
集まることで知られている。
もちろん、ブライトリングの機械式時計組み立て部門もこの町にある。
そこには、神の手を持つ人間がいたとされています。
◆300パーツ、54工程◆
1人の技術者が約2~3工程を受けもつ。
クロノマットのパーツ数は約300種類。
それらをすべて人間の手で54の工程で組み立てられていく。
各工程は分担制で、それぞれ専門の技術者が受け持つ。
例えば、ムーブメント内のわずか2~3個のネジを留めるだけのプロがいるということなんです。
◆1/30はゼロに等しい◆
1つの工程が終わるたびに30個を1単位に品質検査が行われる。
30個中、1個でも基準に満たないモノがあれば、30個すべてを
もう一度やり直す数え切れないクオリティーチェックをくぐりぬけて、
ブライトリングが求めるムーブメントが完成する。
◆「クロノメーター」とは、、◆
職人技だけでは語れない。
ハイテクも次々と開発されていた。
◆「テンプ」は、、、◆
1秒をつくる時計の心臓部。
0,0015mmの世界にすべてがかかっている。
メカニズムの心臓部として、テンプの組立てには、
マイクロスコープを使用する。
これは、髪の毛より細い「ヒゲゼンマイ」というパーツが
正しい位置にあるかどうかを確認するために欠かせない。
0,0015mmの正確さが要求され、時計の精度を左右する最も重要な工程なのです。
◆タイミング調整◆
時計の正確さを決めるタイミング調整は、人間の手作業であるからできる。
技術者は、テンプを拡大したモニター画面を見ながら、
0,0015mmの調整を行う。
経験だけでなく、最新技術を活用し、さらにクオリティを向上させる。
そこにブライトリングとしての姿勢がある。
◆COSCより厳しく◆
完成したムーブメントはCOSCでクロノメーター試験を受ける前に、
工場で厳しい精度試験を受ける。
コンピュータによる精度測定器は、独自開発したもので、
企業秘密だという。COSCよりも厳しい基準で、
さまざまな角度からの精度測定が可能なのもブライトリングの強みなのだ。
◆Controle Officiel Suisse Chronometres
COSCとは、クロノメーター検定機関の名称。どこのメーカーからも
独立した公的な立場をとっている。
クロノメーターとは、試験に合格したムーブメントのことを指す。
正しくは、、、
クロノメータームーブメントを搭載した時計ということになる。
いわば称号。
この称号をブライトリングの製品はすべてのモデルが搭載している。
◆クロノメーター検定用文字盤◆
検定を受けるために、各メーカーからCOSCに届いたムーブメントには、
すべて共通の白い文字盤がつけられる。
これは、検定の公正さを守るためだ。
画像は専用の巻き上げ機械で、ゼンマイを巻き上げている様子。
検定期間は15日間。毎日巻上げを行う。
◆合格するまで、再調整がつづく◆
全ムーブメントが1回でCOSCの厳しい検定に合格するとは限らない。
かなり繊細な調整が要求されるため、最高レベルの技術者が再調整にあたり、
再びCOSCの検定に出される。
写真は合格したムーブメントに針を留めているところ。
◆精度は、6回テストする◆
時計機能部分だけのムーブメントの状態、
クロノグラフやカレンダーなどの、パーツを組み込んだ状態、
そして、ケースにマウントした状態、
それぞれを各2回ずつ、計6回、精度試験を行う。
この時点で、複雑時計を製作する難しさがわかります。
◆最終テストを受ける前に◆
ムーブメント工場で、製作された時計は、ブライトリングのテスト部門へと
送られ、工場を出る前の段階で、
精度、防水テスト、クロノグラフ機能などが
すべてチェックされる。テスト部門では、COSC以上にさらに厳しいチェックが待ち受けている。
これらを潜り抜け、合格をしたムーブメントのみが
我々が普段目にするブライトリングのすべてのモデルに
搭載されているのであった。
つづく。。。
ブライトリングフェア2019 特設サイト
⇒http://www.threec.jp/breitling-fair2019/
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