【ブライトリング・ストーリー】~プレミエ~
2018.12.05
スリーク新潟
こんにちは。
絶賛【ブライトリング・サロン】開催中のスリーク新潟、飯田です。
今回のイベントで一番注目を浴びているのが最新作の【プレミエ】。
もう実物はご覧になりましたか?
本日はこの時計がいかにして誕生したのか?
そんなプレミエにスポットを当てたいと思います。
70年代以降、とりわけ80年代以降のブライトリングはツール(道具)としての実用時計を作ってきた。
特にシュナイダー家に経営が渡ってから標榜としてきた『Instruments for Professional(プロの為の計器)』というブランドコンセプトはそれを強くアピールしている。
これは1970年代にスイス時計業界を襲ったいわゆる【クォーツ・ショック】の影響によるものである。
数多くのスイス時計メーカーが倒産をしていく中、自分達の得意な分野の強みを活かし、そしてコンセプトを明確化することによって生き残りをかけた戦略だったのである。
そして、ここ数十年、ブライトリングと言ったら『パイロット・ウオッチのパイオニア』、
翼と錨マークのロゴは『空だけでなく海をも制する実用時計メーカー』といった印象を強めていた。
しかし、2018年末、ジョージ・カーンCEOによって新たに発表された『プレミエ』はツールとしての時計ではなく、現代的なエレガントさを持ったモダンクラシックな時計として誕生した。
↑プレミエ(1945年)
なぜ、このような時計が登場したのか、その背景を知る為にもオリジナルのプレミエが誕生した時代を振り返ってみたいと思う。
初代のプレミエが誕生したのは1943年のことである。
初の回転計算尺を搭載した初代クロノマットが誕生した1年後のことである。
↑初代クロノマット 1942年
初代のクロノマットは世界初の回転計算尺を搭載したモデルであった。
これはエンジニアの1時間あたりの生産量を計算する為に時計に計算尺を搭載したことに端を発したものである。
つまり、ツールとしての実用時計だったのである。
時代は第二次世界大戦の最中である。
第二次世界大戦は1939年ドイツのポーランド侵攻をきっかけとして勃発し、1945年までの6年間続いた。
軍需が高まり、ミリタリーウオッチや航空用クロックの製作に力を入れる必要性が出てきた。
現に1936年に英国航空省とコックピット・クロック供給の契約を交わし、
1938年には『ユイット・アビエーション』という部門を設立し、航空用8日巻きクロックの開発などを行ってきた。
↑1941年のユイットアビエーションの広告
そんな時期にどうして、プレミエのようなエレガントウオッチが誕生したのか?
実はこの時期のブライトリングはプレミエだけでなくドレッシーな婦人用時計を作ったり、
ゴールドケースを採用したりなどして、総合的な時計メーカーとして進んで行こうとしていたようである。
↑1942年の広告
この時代のことに想いを巡らせる・・・・
世界は戦争の渦に巻き込まれている。永世中立国のスイスといえども平々凡々と生活していたわけではない。
スイスを取り囲む隣国は全てドイツやイタリアなどの枢軸国の配下にあった。
とりわけドイツに対しては敏感だったようである。
ドイツがスイスに侵攻してくる恐れがありながらも一方で経済的な取引も多く行っていたような状況。
そもそもスイスは第二次世界大戦の開戦と同時に国際社会に対して『武装中立』を宣言しており、侵略者に対しては焦土作戦で臨むことを表明している。
国民に対しては侵略者への降伏を禁ずる動員令を布告し、一時は85万人を軍に動員している。
このような戦況下において、ビジネスとしてどのような想いでプレミエを作ったのか・・
↑1940年代後半の広告
↑1946年の広告。こんなレディースウオッチも
第二次世界大戦後もツール時計だけでなく、エレガントな時計やレディースウオッチなども作っているところを見ると
先にも述べたように総合的な時計メーカーとなろうとしていたのだろう。
しかし、である。
単なるビジネスとして、エレガントな分野にも進出したのだろうか?
個人的な私見を言うと
もはや、これは妄想であり、想像でしかないのだが
当時、ブライトリングはプレミエを出すことで、戦争で荒んだ人々の心を癒すような、安息感を与えてくれるような、そんな時計を目指したのではないだろうか。
携帯電話もない時代、当時は時間を確認するのに今よりも腕時計が必需品だった時代だと思う。
時計を着け、時計を見て、楽しくワクワクする時計・・・・
↑1948年の広告
だから、40年代の広告は子供を使ったり、動物を使ったり、ユーモアあるものを作ってたんじゃないかな?って思ったり。
PREMIERとはフランス語で『ファースト』のこと。
英語だと『首相』などの意味合いもあるこの『PREMIER』というネーミングに込められた意味合いは
軍用などのツールウオッチとは違い、エレガントなものを目指したのが伺える。
そして、このツールウオッチではないプレミエはデザインの自由度が高かったのも特徴である。
ナビタイマーのようなツールウオッチは必然的にデザインが絞られてくる。
しかし、エレガントなプレミエにはデザインの自由度があった。
当時のプレミエがタキメーターを備えたりしていたところかも
プレミエをラグジュアリーウオッチにしようとしていたわけではないのが伺える。
ツールウオッチでもなく、ラグジュアリーウオッチでもない。
あくまでもエレガントな実用時計として位置付けたかったのだろうと考えられる。
そんなプレミエが今回新たなシリーズとしてラインナップされたわけである。
CEOジョージ・カーンは『単なるデザインの復刻ではなく、現代的解釈によるモダンクラシックなエレガントウオッチを作ったのだ』と言う。
こうして、プレミエの出自を振り返ってみると40年代のデザインの復刻よりも、プレミエがかつて持っていたかつてのコンセプトの復刻が重要であり、
必然的にデザインがこのように現代的になったのにも納得がいくのだ。
新生プレミエもまたブライトリングのアーカイブから紐解かれた紛れもないブライトリング・ウオッチなのである。
サイドに刻まれた線はスピード感を出している。
このような意匠を取り入れることが出来るのもプレミエだからであるといえよう。
今までの【Instruments for Professional】なツールウオッチブランドのブライトリングを知っている人には抵抗を感じる人もいるだろう。
しかし、今までのブライトリングでは手に入れることが出来なかった方向性とデザインのエレガントウオッチである。
ブライトリングを複数所有している人にとってはコレクションの幅を広げるには非常に魅力的なシリーズであることは間違いない。
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